５１話 ページ4
‐四皇學園‐
「匂い消えちゃったね。」
「どこに行ったんだ。僕の蝶々。」
「クソッ、レムなんか情報ねえのかよ。」
三人がレムの元へ駆け寄った。
「レム‼」
答えずに将棋盤を眺めているレムにメィジがどなった。
第三図書館の幕の隙間から光が漏れる。
「今の大声でアーロンドの親父さんにばれたんじゃない？ヤバーい。」
煽ったシキをメィジが殴った。
「あぁもうイッターい。」
なのにうれしそうだ。
突如、扉を勢いよくあけリンドが、別の幕からローエンが現れた。
「うわっ、めっちゃめんどくさい取り合わせ。」
リンドの剣幕を見てシキが呟く。
「リツカとAはどこだ！？」
机をたたきながらリンドが問いただす。
「こっちが教えて欲しいぜ。」
「なにっ！？」
リンドには目もくれず、レムがローエンに訊ねる。
「何をしに来た。」
「堂々と戻ってくるなんて、命知らずだよ。」
ほくそ笑みながらローエンは言った。
「立華リツカと水津國Aはネスタの城にいます。」
「なっ…、まさかヴァンパイヤの城に行ったっていうのか！？」
「アイツ水津國って名字だったのか。」
「メィジいまそれどうでもいいから。」
「っていうかなんで知らないのさ。水津國ミカーラといえば有名な小説家…」
「だからそれどうでもいいから今は！」
こんな時でもバカやる悪魔を無視し、リンドはネスタの城へ行こうとした。
「どちらへ？」
それをローエンが止める。
「二人を助けにいく！」
「まあ、落ち着いてください。」
「落ち着いていられるか！リツカに何かあったら俺は生きてはいられない。」
リンドの真っ直ぐな気持ちをレムは見つめていた。
「アイツをヴァンパイヤなんかに渡してたまるか。」
「僕の蝶々だからね。」
「Aを壊させてたまるもんか…。」
「ネスタの城に行くということはそれ相応の危険を伴いますが、それでもあの二人を取り戻すというのですね。」
「「「「ああ」」」」
「レム、お前はどうする？」
「私は…。」
決めかね、将棋盤をただ見つめている。
銀と歩の間にローエンはリツカの捨てたクラウンを置いた。
「気持ちはすでに決まっているのではありませんか。」
ダンスパーティーの事を思い出し、一回だけ笑うと自分のクラウンを隣に置いた。
「あぁ、完璧な罪だ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
隠(プロフ) - BAT ENDではなくBAD ENDだと思うのですが…… (2017年11月3日 20時) (携帯から) (
レス) id: c4241e28be (このIDを非表示/違反報告)
あい - 凄く面白いです！更新楽しみにしてます。 (2016年2月7日 11時) (レス) id: c503bd2bf1 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀聖瑠(プロフ) - 雫石さん» ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします (2016年1月27日 20時) (レス) id: 1f2f759d77 (このIDを非表示/違反報告)
雫石(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しませて貰っています！(*´ω｀*) (2016年1月27日 17時) (レス) id: 7d08b6c3ed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
