７２話 ページ26
お互いが顔を合わせているときはいつも通りに振る舞うくせに、ひとたび分かれればため息が虚しく重なる。
そんな二人の様子は学園中で目撃されている。
そしてリツカは思った。
そんなに苦しい思いをするのなら、想いを伝えて気を晴らしてあげたい。
だからといって本人たちに直接いうのは少々難しいと判断した。
ツンデレ気味なAでは、伝える以前にどこか遠くへ逃げ出しそうだ。
ＴＨＥヤンデレなシキもおそらく無理。他人の前で好きだと言っても本人の前では言っていないのだから。
といった経緯で悪魔三人を巻き込んだ。
「最近シキが大人しいのはそういうわけか…。というよりそんな身勝手な理由で私達を巻き込まないでくれ…。」
「レムってば酷い！シキは仲間なんですから幸せになってほしいって思わないんですか？」
「と、言われてもねえ…。」
「あの堕天使は勝手についてきただけだしな。逆にあいつの幸せなら協力する気が失せるぜ。」
リツカはふて腐れた。そういえばシキは居場所がないと言っていた。あれも嘘だと思っていたが本当だったのか…。
「おやおや、面白そうな案ではありませんか。」
いつの間に来たのやらローエンがいた。
「一番シキの不幸を望んでそうなお前が一体どういう風の吹き回しだい？」
「考えてもごらんなさい。あの者に共にある者がいればイコールここに入り浸る時間が減るということ。
そしてさらにはストッパーができ、あの者の性質の悪い趣味の巻き添えが減るということなのですよ。」
三人の脳裏にシキの迷惑行為が浮かんだ。
図書館を火事にしかけられたり、温室の植物を枯らせられたり、プライベートを覗かれたり…。
数えきれないほどの悪意が三人の意志を固めた。
「そうと決まれば作戦会議だ。」
急変した三人の態度に苦笑しながらも、リツカも作戦会議に参加する。
作戦が決まり、リツカが下校した部屋でレムはローエンに訊ねた。
「それで、他には何を企んでいる？」
「何のことでしょうか？」
「とぼけるなよ。お前がたったそれだけの理由で僕達を説得させたりしないだろ。」
「フフッ、この質問をしたのは立華リツカを気遣ってのことでしょうか。」
「何の話をしてんだ？」
メィジの顔にウリエは薔薇を当てて黙らせた。
「あの者がどうあがいたところで、待ち受ける結末はＢＡＴ ＥＮＤだということくらい、気づいているのはお互いさまということです。」
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隠(プロフ) - BAT ENDではなくBAD ENDだと思うのですが…… (2017年11月3日 20時) (携帯から) (
レス) id: c4241e28be (このIDを非表示/違反報告)
あい - 凄く面白いです！更新楽しみにしてます。 (2016年2月7日 11時) (レス) id: c503bd2bf1 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀聖瑠(プロフ) - 雫石さん» ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします (2016年1月27日 20時) (レス) id: 1f2f759d77 (このIDを非表示/違反報告)
雫石(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しませて貰っています！(*´ω｀*) (2016年1月27日 17時) (レス) id: 7d08b6c3ed (このIDを非表示/違反報告)
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