６５話 ページ18
メアリーは尾びれを動かした。水しぶきが上がったがリツカに当たることはなかった。
「許せない…。やっぱりあなたは悪魔よ！極悪で残虐な‼」
「だからそうだと言っているではありませんか。ですが、その極悪残虐な悪魔の血をあなたも弾いていることをお忘れなく。」
「たとえ血がそうでも私は認めない！あんたみたいな悪女。」
「わたくしめは汚らわしいヴァンパイヤとは違いますので今のは流して差し上げますわ。
ふふふ、それにしても今回の憑代は随分と面白い血筋ですわね。
本人は天使と悪魔の混血。義姉妹であるあなたは悪魔と人間の子。そしてあなたの従兄妹はダンピール。」
「Aはあなたが生んだんじゃない！」
「ええ、とても愛しかったマキシスとの間に宿した子。間違いなくわたくしめの子ですわ。
それに引き替え、マルタという人間の女は趣味が悪いですわ。よりにもよってあのようなヴァンパイヤなど…。」
「黙りなさい！マルタおばさんを侮辱しないで‼それにあなたに言われたくないわよ色ボケ女‼」
「だから大きな声を出さないでください。
あなたもあなたで趣味は合いそうにありませんわ。」
「合わなくて結構よ。」
メアリーは揺り籠の反対側にまわった。
「わたくしめの好みは可愛らしい若い男なのです。たとえばこの子のような。」
メアリーはシキの頬を撫でた。
「だからシキを巻き込んだの？」
笑ったままメアリーは答える。
「彼はAが望んだものですわ。『誰でもいい私を愛してほしい』。その願いによってシキは森奥の廃屋にたどり着きやがて恋に落ちる。
大分年の差はありましたが今となっては少々後悔もしているのですよ。Aではなく、わたくしめが手に入れておけばよかったと。」
リツカの手にしていたナイフがメアリーの頬を掠めた。
「恐い恐い。」
メアリーのからかいにリツカの怒りはますます上昇する。
「アンタだけは許さない！Aとシキの人生を狂わせ、アズナの命を奪ったアンタだけは！」
涙を浮かべながらナイフを両手で握り、構えた。
「わたくしめがあなたの不幸の元凶だと、そう言いたいのですか？」
「ええそうよ！」
「本当に？」
メアリーは陸に上がって来た。
下半身は魚ではなく人間の足になっていた。
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隠(プロフ) - BAT ENDではなくBAD ENDだと思うのですが…… (2017年11月3日 20時) (携帯から) (
レス) id: c4241e28be (このIDを非表示/違反報告)
あい - 凄く面白いです！更新楽しみにしてます。 (2016年2月7日 11時) (レス) id: c503bd2bf1 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀聖瑠(プロフ) - 雫石さん» ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします (2016年1月27日 20時) (レス) id: 1f2f759d77 (このIDを非表示/違反報告)
雫石(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しませて貰っています！(*´ω｀*) (2016年1月27日 17時) (レス) id: 7d08b6c3ed (このIDを非表示/違反報告)
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