６３話 ページ16
「そうそう前の質問。わたくしめが立華マリアを知っているのかというものでしたね。
えぇ、知っていますよ。なんていってもあのマキシスがあれだけ固執した女ですもの。」
「マキシスも知ってるのね。」
「もちろんですわ。百年ほどの間だけAの身体を乗っ取り、惑わし、恋人の座に収まったのですもの。マキシスはかなりわたくしめの好みでしたから。」
「百年…？Aは私と同い年のはずよ。」
「この子の母親の方ですわ。同じ名前というのも不便ですわね。産んだ際に名前を付けておけばよかったですわ。」
「あなたが産んだの？」
「えぇ、ですからあなたが見た母親の方のAは肉体的には母であっても精神では母ではないのです。」
「何故、その…Aのお母さんを解放したの？マキシスが倒されたから？」
「あら、意外とお詳しいのですね。魔界の事情に。」
メアリーが茶化した。
「マキシスが倒される前からわたくしめはあの人に未練はありませんでしたの。腹に子供宿した時点で……、マリアという真実の愛を見つけた時点で愛想は尽きていましたし。」
「あなたは母さんを恨んでいるの？」
突然メアリーが笑い出した。何が可笑しいのかとリツカが訊ねる。
「わたくしめは人間如きに嫉妬など抱きませんわ。これまでもたくさん愛人は作ってきましたし。第一マリアと出会う前から愛想は薄れてきていましたのよ。
そうそう、質問の続きですけれども、わたくしめは自分の意志でAを開放したのではありませんよ。しいて言うのであればあれは偶然ですわ。
まだ力が回復していない状態で子を産んだためにわたくしめの憑代は子へと移り、しばらくは力を使えなくなってしまったのです。
あなたの力はわたくしめの力の一部に過ぎませんわ。わたくしめと愛し合ったマキシスと立華マリアとの間に生まれたが故の必然。
話を戻しますわね。
このままでは６１５年目の満月の日に願いを叶えるという暇つぶしが行えないと思ったわたくしめはこの子の力を貰ったんですのよ。
この子の寿命が短いのは、血筋が不安定だからでも、二人に分かれていた為でもない。わたくしめがこの子の寿命ごと力を貰っていた為なのです。」
「悪魔ね。そうなった自分の娘の気持ちを少しは考えたことはないの！？」
再びメアリーは笑った。先ほどよりも大きな声で。
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隠(プロフ) - BAT ENDではなくBAD ENDだと思うのですが…… (2017年11月3日 20時) (携帯から) (
レス) id: c4241e28be (このIDを非表示/違反報告)
あい - 凄く面白いです！更新楽しみにしてます。 (2016年2月7日 11時) (レス) id: c503bd2bf1 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀聖瑠(プロフ) - 雫石さん» ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします (2016年1月27日 20時) (レス) id: 1f2f759d77 (このIDを非表示/違反報告)
雫石(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しませて貰っています！(*´ω｀*) (2016年1月27日 17時) (レス) id: 7d08b6c3ed (このIDを非表示/違反報告)
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