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49話 ページ2

城に付くと、数人のランプを持たヴァンパイヤが出迎えた。

「降りて。」

Aをもって船から降りたジェキが命令した。
ヴァンパイヤの一人が手を差し出したがリツカは自力で降りようとした。
船が大きく揺れ、角に膝をぶつけた。

「いった―。」

靴下の舌から血がにじみ出ている。

それを見た、ヴァンパイヤが目を赤く染め牙をむき出しにした。

「さもしいわね。醜悪だわ。
失礼したわ。さあ、こちらへ。」

今度こそちゃんと立ち上がり、ジェキについていった。

大きな門の前にたった。門には鏡があり、リツカとA以外の人物は映っていない。

「コレは侵入者を見分けるための仕掛けなの。原始的だけどよくできてるでしょ。」

リツカは昔リンドがヴァンパイヤは鏡に映らないと教えてくれたことを思い出した。

「本当だったね…。兄さん。」

重々しく門が開く。

(泣かない。ここに来るって決めたのは自分だもの。)

ネスタの元へ案内されたリツカは、また自分の知らない事実をきかされた。
自分の従兄妹であるリンドの父親がネスタであることを。
それでも否定した。
自分の叔母を苦しめ死に至らしめた元凶であるネスタを否定した。

自分は今日、日付が変わって十七歳になる。同じ日に生まれたAも同様に。
自分の血をアイツに与えればすべてが元に戻る。
そう、リツカは信じている。

リツカとAのいなくなった部屋でジェキはネスタに訊ねた。

「もう一つのグリモワールも手に入れますか?」

「冗談をよせ。半分とはいえ天使の血を取り込めば私もただではすまん。」

「では、あれはどのように。」

「ふっ、グリモワールの力を利用すればあの装置は動くだろう。私が作り出した最高傑作。すべてを破壊するあの兵器を。」

「『Mary』ですか。確かにあれがあれば悪魔の殲滅も容易ですね。」

部屋一体に誰のものとも知れぬ笑い声が響いた。

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(プロフ) - BAT ENDではなくBAD ENDだと思うのですが…… (2017年11月3日 20時) (携帯から) (レス) id: c4241e28be (このIDを非表示/違反報告)
あい - 凄く面白いです!更新楽しみにしてます。 (2016年2月7日 11時) (レス) id: c503bd2bf1 (このIDを非表示/違反報告)
雲雀聖瑠(プロフ) - 雫石さん» ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします (2016年1月27日 20時) (レス) id: 1f2f759d77 (このIDを非表示/違反報告)
雫石(プロフ) - 続編おめでとうございます!いつも楽しませて貰っています!(*´ω`*) (2016年1月27日 17時) (レス) id: 7d08b6c3ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雲雀 聖瑠 | 作者ホームページ:.  
作成日時:2016年1月27日 17時

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