28 ページ29
*
この先は人工呼吸器に頼るしかありません、と、先生。
その瞬間、その場にいた全員の体にぐっと力が入ったのは、
いわゆる延命治療と言われるその方法が、
どれだけ残酷なものか、事前に説明を受けていたから。
医『判断はご家族の皆さんにお任せします。』
そう一言残して、去っていった小暮先生。
残された俺たちの視線は、
自然とふっかのお母さんに向けられました。
.
舘『一旦、離れておこうか。』
しばらくして、
家族だけの時間も必要だろうから、って、舘さん。
軽く会釈をしてその場を去ろうとした時、
深母『照くん、』
ふっかのお母さんに、それを引き止められました。
.
.
深母『私たちより長い時間、辰哉の傍にいてくれたでしょう?』
悔しいけど、私よりずっと息子のことを理解してるはずだから、
って、ふっかのお母さん。
_____ねぇ、辰哉はさ、何を望んでると思う?
涙をこらえるようにふわっと笑うその顔はふっかにそっくりで、
深母『…メンバーの皆さんに、任せてもいいかな、』
なんだかとても、懐かしく感じました。
.
岩『…みんなは、どう思う?』
俺の問いかけに、一瞬、静かになった廊下。
すかさず口を開いたのは、
いつだって、ハッキリ気持ちを伝えてくれる翔太でした。
渡『なんで、っ なんでそんな、』
ふっかが生きてる時間が長いか短いかで、
悩む意味がわかんねぇんだけど、っ』
グループ結成以来、
あんなに感情的になったのはこの日が初めてだったと、
『デビュー日まで生かしてやりたいって、
一緒にデビュー日迎えたいって、お前ら思わねぇのっ、?』
後に彼は、恥ずかしそうに語っていました。
.
645人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あめ(プロフ) - バケモノさん» ご愛読、そしてコメントありがとうございます☺︎わたし自身医療知識は一切なく、矛盾や違和感だらけだと思いますがまた是非読みに来てください! (1月31日 21時) (レス) id: 767f007347 (このIDを非表示/違反報告)
バケモノ(プロフ) - これからも主様の作品を読んで感覚(?)を養いたいなとおもいました。影ながら応援させて頂きます^^長文失礼しました。 (1月27日 16時) (レス) @page42 id: 69e5d6eaed (このIDを非表示/違反報告)
バケモノ(プロフ) - コメント失礼します。とても素敵な作品をありがとうございます。私は将来医療職業に就くために日々勉強している身なのですがこの作品に出会い死と向き合うことを学べた気がします とにかく終始涙が止まらなくてとても心に残るものとなりました。 (1月27日 15時) (レス) @page42 id: 69e5d6eaed (このIDを非表示/違反報告)
あべべ の おめめ(プロフ) - Sky??さん» コメント本当に嬉しいです☺︎不愉快だなんてとんでもないです。ありがとうございます!また違うお話でそう思っていただけるよう努力します😌 (1月13日 0時) (レス) id: 44344479ea (このIDを非表示/違反報告)
Sky??(プロフ) - 時間も経ってからのコメント失礼します。終始涙がでっぱなしでこの素敵な小説に出会えてよかったです。語彙力がなく不愉快にさせてしまっていたらすみません。どうしてもこの気持ちを伝えたくなり初めてコメントさせていただきました。長文ですみません (1月9日 21時) (レス) id: 39949cd234 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あべべ の おめめ | 作成日時:2021年10月24日 10時