2 ページ21
頂き物の甘々な果実酒のボトルを手に取り2人分ソーダ割にして そのひとつをAに渡す。
それを ゆっくり口に流し込んだのを確認してから俺もひとくち口つけた。
辛いことがあって消耗状態のときにお酒を渡すのはどうなんだろう とか ぼんやり考えながらAに目を向けると視線がぶつかった。
傷心しきった顔で交わった視線をそらすことのないままAは俺の胸に飛び込んできた。
そのまま 荒々しく唇を合わせてきたAの肩に手を置き、
続けたかった想いを押し殺して 優しく引き剥がす。
「っ〜！なん、でぇ...。」
寂しいから抱いてよ。
ポツリと苦しそうに自傷行為としての行為を頼むAの顔を覗きこんで一語一句はっきり伝える。
『俺は、本気だから。』
『Aのこと、大事にしたいから。』
『昂秀のことが好きな状態で、
昂秀と付き合っている状態で、
俺は手を出さない。』
『今のAは自暴自棄になっているから。』
『ちゃんとAが昂秀と関係を終わらせて、
ちゃんと俺のことを好きになってくれてからだよ。』
『_____Aのことが大切だから。』
ボロボロ涙を流して ぐちゃぐちゃになったAを袖で綺麗になるよう拭いながら
耳元で 好き、と伝える。
Aに言ったことは俺の本心。
好きな人だから大事に扱いたい。
でも、本当は...
昂秀に傷付き 弱ったAの心の隙間に入り込んで
“ つ け こ ん で ”
少しずつ 少しずつAの心を俺に傾かせているんだ。
アニメしか興味がなさそうにみえる昂秀にも ちゃんとAへの恋心があって。
楽しそうに観賞しているスマホにはアニメだけではなくてAとのツーショットだったり、
お酒が入ると世界一愛おしい、と惚気たり。
でも そんなことAに絶対言わねー。
さりげなく昂秀を
さも とんでもない薄情者に錯覚させ
一途なAの純粋な心をグサグサ傷付ける。
寂しくて辛いでしょ？
Aの彼氏、
昂秀より
俺の方がふさわしいじゃない？
ここ最近 本当に些細なことでも頻繁に俺の家に来て 泣いて
俺がAの本命になる日は近いかもしれない、と。
Fin.
ーーーーーーーーーーーーーーー
ラッキー ランペ メンバー
LIKIYA
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 687人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さっくー - 北人くんの小悪魔ストーリーが見たいです！ (2021年6月18日 19時) (
レス) id: 5045bc6a9c (このIDを非表示/違反報告)
売らない作ーる(プロフ) - ntsukiさん» 長らくお待たせしました。すみません(泣)何故か突然鈴木さんが舞い降りてきたんです笑 (2021年6月8日 1時) (レス) id: cbe968575c (このIDを非表示/違反報告)
ntsuki(プロフ) - お話が更新されてて嬉しかったです！鈴木さんメイン、ずっと待ってました。笑 (2021年6月5日 6時) (レス) id: d8d12a6039 (このIDを非表示/違反報告)
売らない作ーる(プロフ) - 美麗さん» 全然更新できなくてすみません(泣)コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！励みになります (2020年7月7日 7時) (レス) id: cbe968575c (このIDを非表示/違反報告)
美麗 - とても良いです！また続編を書いて頂きたいです！ (2020年1月11日 21時) (レス) id: f491303533 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：売らない作ーる | 作成日時：2019年7月3日 9時
