微睡み ページ27
「A、寝惚けてるね？」
「ん……うん」
ヴィクトルに頬を撫でられる。夢を見ている心地のまま、その冷たい手が気持ちよくて、思わずその手に擦り寄った。猫のように、無意識に。
「……誰と、間違えてる？」
低い声、心地良い。滑舌が良くて、優しくて、安心する声。持ち主は誰だろう、ああ、ヴィクトルか。でも昨日と今朝聞いたヴィクトルの声より、幾らか低い。不機嫌な声。そんな感じの低さだ。どうしたのヴィクトル、何か面白くない事でもあったの？
「……だれと、って」
「昔の、恋人かい？」
ゆったりと瞬きを繰り返すが、まだ熱があるからなのか視界が霞む。ヴィクトルがぼんやりと見えているけれど、表情までは読み取れない。うまく舌が回らない。思考も、上手く回らない。
「……ヴィクトル」
「……ん？」
「ヴィクトル、に、してる。間違えてる……？ 違う人、だった？」
だってここにいるのは、ヴィクトルでしょう？ぼんやりとした視界でも、彼が誰かという判断は出来ているつもりだ。
ああ自分の息が浅い。やっぱりまだ熱があるんだ。瞼が重くて開けていられない。ゆっくりと目を閉じて、再び夢の中へ落ちていく。今のも夢だと思ったけれど、どれが夢でどれが現実なのかが解らない。ふわふわと波にたゆたうようにして、意識が途切れた。
「……参ったな」
ヴィクトルの声が優しげなものに変わり、何処か嬉しそうで、困惑している表情をしている事に気付く事もなく、次に目が覚めたのは翌日の早朝だった。
ーーーー
ここで少し、ご挨拶を。
執筆者のKagaと申します。拙作をお読みくださりありがとうございます。
アニメを見てじわじわとハマり、我慢出来ずに男主夢を書いてみたいと思い…一番盛んだったのがここ占いツクールだったので、初めてこちらで書かせていただいています。
勝手も解らず初めはひいこらしていましたが、書き始めて二週間、お気に入り登録300人様、評価と順位も頂き殿堂入りまで、本当にありがとうございます。
新規にお気に入り登録してくださる方は通知で「気に入ってくれたんだ」とわかるのですが、既存の方の反応が解らず不安でもあり……ご意見ご感想ございましたらなんなりとコメントやTwitterに頂ければ幸いです。
これだけ書いておきながら恐ろしい事にまだアニメ二話冒頭という……進みが遅いですが、濃厚なお話にしたいと思っていますのでどうぞお付き合い下さい。
それでは、今後もお読み頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
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倉科(プロフ) - Kagaさん» わざわざ返信ありがとうございます…!!続編も応援しているので、頑張って下さい!※長引かせると申し訳ないので返信は不要です。 (2016年12月5日 11時) (
レス) id: 04ed6ff0e3 (このIDを非表示/違反報告)
Kaga(プロフ) - びわさん» びわさんはじめまして、コメントありがとうございます！何度も読み返して頂けているなんて光栄です(;_;)少しずつヴィクトルに変えられていく彼や周りの人間、ヴィクトル本人の動きをこれからも楽しみにして頂けると嬉しいです^^* (2016年12月5日 8時) (レス) id: c0624adda5 (このIDを非表示/違反報告)
Kaga(プロフ) - 倉科さん» 倉科さんはじめまして、コメントありがとうございます！描写は細かく頭で映像を浮かべやすいように、と心掛けていたので嬉しいです(;_;)これからもまだまだ続きますので、またお読み頂けると嬉しいです！´`* (2016年12月5日 8時) (レス) id: c0624adda5 (このIDを非表示/違反報告)
びわ - 他の小説にはない豊かな表現がとても好きで何度も読み返しています。主人公の心情が動いていくさま、過去のことなど話の構成が面白いです。これからも応援しております。 (2016年12月5日 2時) (レス) id: be5139214a (このIDを非表示/違反報告)
倉科(プロフ) - コメント失礼します。このサイトではあまり見かけないとても分かりやすく鮮やかな描写が素敵で一気に読んでしましました…ｗ凄く引き込まれてまだまだ続きが気になります。更新を日頃の楽しみにしつつ読ませていただきますのでこれからも頑張って下さい。 (2016年12月4日 23時) (レス) id: 04ed6ff0e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kaga | 作者ホームページ：https://twitter.com/kaga_yoi
作成日時：2016年11月6日 21時
