★楽天家族★ (ページ5)

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・お仕事ページ5

「いつも悪いなぁ、一也君」
「なんですかそれキモいんですけど」

　稼頭央さんは頬を膨らませて、コピーしてくる、とどこかへ行った。

　でも多分あの人、タバコ吸ってくる気なんだろうな…。

　けだるい気分に襲われる。手伝ってあげてるのにその態度はなんなんだ。

「えーっと、これは…あぁ、あの資料で、これは…それか…」
　
　資料を整理するだけの簡単なバイトを、学校に行く前、数十分だけ手伝っている。
　たったこれだけで数千円稼げる、割の良すぎるバイトだ。

「でも稼頭央さん、俺にこんな金出していいんですか？」
「えー？どーゆー意味よ」
　遠くから稼頭央さんが答えた。

「いや、こんなにもらって、稼頭央さんに悪いかなぁ、と」
「ばぁか」

　いつの間にか稼頭央さんが隣に来ていた。頭に冷たいものがこつん、とあたる。

「んなの心配すんじゃねぇよ、学生。ほら、おごりだ飲め」
「あ、ありがとうございます…」

　冷たいものはペットボトルだった。それほど甘すぎない、俺好みのジュースだった。この前、自動販売機の前で、これが好きだと稼頭央さんに話した気がする。

「そんなに心配してくれてんなら、今日のバイト代それでいいよな？」
「え」
「ん？」

　稼頭央さん、目が笑ってないです。

「くそ…余計な心配するんじゃなかった…」
「なんか言ったかー」
「いえ、なにも」
　