・時間 ページ4
「稼頭央さん、そろそろ時間じゃないんですか」
お兄ちゃんが不機嫌なまま言った。
「おっ、ほんまや。藤田、いくで。じゃあな妹ちゃん、うまかった、明日もよろしくな」
明日も、その言葉にぎろりと、お兄ちゃんが稼頭央さんを睨む。
火花がちってる気がする.....。
「えぇっ、稼頭央さん、せめて味噌汁あともう一口...!」
「いーから、ほら」
「Aちゃん、夜用に味噌汁とっといてくれるか?あ、稼頭央さん、待ってくださいって〜」
「ちゃんと、とっときます。いってらっしゃーい」
あたふたと、稼頭央さんに続き藤田さんも部屋を出た。
「さて.....お兄ちゃん、私もそろそろ行くね。豪郎、片付けと戸締まりお願い」
「え?!うそ、俺?!」
「ごはん代と思えば軽いもんでしょ。鍵、帰ってきて取りに行くから…寝ないでよ?」
「うん…自信はないけど」
「お願いね?」
しぶしぶ、豪郎は頷いた。
「あれ、Aちゃん、夏休みじゃないの?」
ひじりーが味噌汁をすすって聞く。
「あー、今日、部活あるんだよね」
私の入っている剣道部は今年、県大会にまで出場することができた。
お兄ちゃんには散々、ソフト部にしろって言われたんだけど…。
「A、送ってく」
「え、いいよ、お兄ちゃんも急がなきゃでしょ?」
「通り道だろう、送る。ほら、急げ」
お兄ちゃんが豪郎を心なしか睨みつけている気が…。
まぁでも、時間的に危ないし、送ってってもらおうかな。
★
「じゃ、いってきまーす。豪郎、あとよろしくね」
「うーい、いってらっしゃい」
ジョーンズもにこにこして手を振る。階段を下りると、お兄ちゃんが車に乗って待ってくれていた。
「お願いしまぁす」
「はーい」
車に乗り込む。 エンジン音。
「味噌汁、味だいじょーぶだった?」
「ん?うまかったぞ」
「そ、…」
じゃあなんであんな顔してたんだろ。
「なんで?」
お兄ちゃんが後ろを振り向かないで聞いた。
「んーん、別に」
車はもうすぐ正門前にたどり着きそうだった。
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あらっしー - 嶋さんの妹になりたい!!更新頑張ってください! (2017年10月28日 19時) (レス) id: 5b49f72e21 (このIDを非表示/違反報告)
花子(プロフ) - 縲城さん» ほんとに…私もなりたいものです(殴 (2014年11月24日 8時) (レス) id: f5648c6e73 (このIDを非表示/違反報告)
縲城(プロフ) - 嶋さんの妹とか羨ましいです! (2014年11月24日 1時) (レス) id: a8fba6baa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花子 | 作成日時:2014年5月24日 18時