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優しい戦い ページ34

ふと、目を覚ますと私の体はぼろぼろだった。
血も出ていて、痛い。
でも、何より痛いのは心だった。
「…着物」
私は、もとから着ていた着物を脱いだ。そして下に着ていたワイシャツとスカートを正した。
時雨はもう、何も云わなかった。ただ、笑っているような気がする。
「天降女子達、ありがとう。もう元に戻ってくれ」
天降女子に声を掛けると、私の中から声が響く。
『ほら、Aに被害が出ないように出るよ!』
『うっし、んじゃあ俺が出てすぐに出て行こう』
徐々に体が軽くなった。
「ふぅ…」
体から出てきた三人は私の後ろでたっていた。
「帰らないのか?」
『当たり前田のクラッカー!!!』
三人同じ答え方をする。
「そうか」
私は微笑むと、手帳をその場に置く。

「もう、こんなの必要ない。」

私は人形に歩み寄った。
人形は私の行動に驚いている。
「お前、どうしてこうなったんだ?」
「…」
人形は答えなかった。
「お前寂しかったのか?何時までも迎えに来てくれなくて忘れられてるんじゃないかって、不安だった?」
「…何デ?」
人形は何で?と聞いてくる、でも何が何で?なのかは私にはわからない。
だからこそ、私は聞けることがある。
「でも、本当にそうなのか?なら、お前今とっても嬉しいはずだ。だって、迎えに来てるじゃないか、死んでもお前を忘れないで探してくれたじゃないか。それとも七十年掛かったことを恨んでるのか?」
「黙レ!!!」
人形は叫び、私にありとあらゆる物を向けた。
目には一杯の涙を溜めている。
「…黙らないよ。なぁ、もしそうならそんなのお前の我儘じゃないのか?お前は勘違いしてたんだよ。…だからさ」
人形は脅えるような目で私を見つめている。
私は構わず人形に近づいた。
「来ルナ!来ルナ!!!」
人形は銃を空中で連射している。ただ、ぜんぜん違うところに当たって、一発も当たってない。
私は人形に手を伸ばした。
「来…」



「もう、良いよ」
私は人形を力いっぱい抱きしめてみた。
考えても見た、この人形はずっと月詠が持っていた。
なら、人形は寂しかったんだ、悲しくて寒かった。
温もりを感じたいだけだったと、勝手に解釈した。
私は人形の髪を撫でてやった。
人形は小さく嗚咽も漏らした。


♪♪♪♪♪
雑談なんですか、赤ちゃんの頃から持ってる私の人形のプーさんが、友達の謎の解釈により「殺人プーさん」って命名されてました。友達曰く私のプーさん凄く病んデレらしいです。Oh,no…
映画って面白いよね。

人形の過去と未練→←武器



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設定タグ:Neru家 , 探偵 , てにをは   
作品ジャンル:ミステリー
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太宰紅峰 - 和華さん :最後の最後まで誤字…すみません。はい!全力で応援しますね。頑張ってください! (2015年8月18日 18時) (レス) id: 540c5db925 (このIDを非表示/違反報告)
和華(元・ティティア)(プロフ) - ……ここまでお疲れ様でした。作品が終わるのはさみしいですが、この言葉を送ります。「思えば遠くへ来たなあ……」パクりとか言わないでくださいねっ☆(某有名な映画タイトル) こちらはこれからも頑張りますので! もう少しですが見てやって下さると嬉しいです。 (2015年8月18日 17時) (レス) id: bc9e5537da (このIDを非表示/違反報告)
和華(元・ティティア)(プロフ) - 永羽君マジイケメン! ……主人公ちゃん、どういうことでしょうか? 説明文に「左は、今の〜〜」は解るのですが、またしても「左側の〜〜」と書いてあるので。「右側」、の間違いではないでしょうか……? あっ、私の理解力の足りなさならごめんなさい! (2015年8月18日 17時) (レス) id: bc9e5537da (このIDを非表示/違反報告)
太宰紅峰 - ここまで読んでくださり、ありがとうございました!返信頑張って下さい。 (2015年8月18日 15時) (レス) id: 540c5db925 (このIDを非表示/違反報告)
太宰紅峰 - 和華さん :2つの作品は読んでます!如月駅は作品を見る前に知っていました。私の名前は目を瞑って本をパラパラと捲って出てきたキャラが[太宰治]と[紅峰]だったのでくっつけました。世界寿命と夏目との重なる部分があったのならごめんなさい。続きます。 (2015年8月18日 14時) (レス) id: 540c5db925 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:太宰紅峰 | 作成日時:2015年2月4日 9時

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