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人形 ページ20

…そういえば、いつか小さい頃。人形を持っていた。
いや…私が持っていたわけではない。
「おめーんだよ。」
朝、目を開けると真珠湾で死んだ吟助が私にまたがっていた。
「何?」
「お願いだ。俺の体はもういい。お願いがあるんだ。」

とりあえず起き上がりリビングに行く。
時刻は朝5時を指していて、ティアと辻はもう起きてリビングでぼうっとしていた。
「おはよって…うわぁ、何?妖怪?腐ってるその軍服の人は?」
「俺は、吟助。」
ペコリと頭を下げる。それに続いてティアも頭を下げた。
「…で?どうしたの、A」
「知らん。依頼だそうだがな?」
自分の机に突っ伏し返すともぅ、とティアはため息をついた。知ったことか。
「…ねげぇだぁ。人形を探してくれねぇか?」
彼は、話を話始めた。



俺には小さい頃から好きな女の人がいた。
その人の名は月詠(ツクヨ)と言った。
月詠は俺の親友でもあった。小さい頃から一緒で家族も同然。
…容姿は何故かAちゃんによう似とる。
俺は月詠に逝く前夜会った、否正式には夢だけど。
月詠は、自分は死んだと言った。
ただ、そこで心残りがあったらしい。
それをとってきてほしいといわれた。
それは小さな日本人形だ。
そこまで大切なものやろか、思って聞いた。
そうしたら、笑われた。理由はその時は教えてくれんかった。
俺はええよ。と返したんや。
でも次の日俺、死んでしもうて。
その死ぬ瞬間、思い出したんよ。
戦争に行く前、俺聞いたんよ。
「なぁ、月詠。どうしていつも、そのボロい人形持っとるん?」
「何でってなぁ…吟助覚えてないんやろけど、これはな




…初めて小學校3年の時な。初めて吟助がくれたものなんよ。あたし嬉しくてなぁ!お母ちゃんにそ
んなの捨てろ言われても捨てられんのな。これ、持っとくと落ち着くんよ。」

優しく笑って俺の胸に手を添えた。
「それになぁ、モノにも心、あるんよ。あたしこの子といつも居(オ)るからわかるんよ。この子は幸せなんよ。」
「…せや!なら月詠、戦争終わったら新しい人形買ったるわ!その子の友達増やそうや。」
ううん、と首を静かに月詠は振った。
「ええんよ。要らへん。この子には私も居るし吟助が居る。…だからこの子はええんよ。なぁ?」
人形に微笑んだ月詠は綺麗だった。



♪♪♪♪♪
題名に謎の『(笑)』って書いたのはきっと私…疲れてたんですね!修正致しました。

人間のせいなのね。→←番外編最終話〜再び幸せが訪れる〜



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設定タグ:Neru家 , 探偵 , てにをは   
作品ジャンル:ミステリー
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太宰紅峰 - 和華さん :最後の最後まで誤字…すみません。はい!全力で応援しますね。頑張ってください! (2015年8月18日 18時) (レス) id: 540c5db925 (このIDを非表示/違反報告)
和華(元・ティティア)(プロフ) - ……ここまでお疲れ様でした。作品が終わるのはさみしいですが、この言葉を送ります。「思えば遠くへ来たなあ……」パクりとか言わないでくださいねっ☆(某有名な映画タイトル) こちらはこれからも頑張りますので! もう少しですが見てやって下さると嬉しいです。 (2015年8月18日 17時) (レス) id: bc9e5537da (このIDを非表示/違反報告)
和華(元・ティティア)(プロフ) - 永羽君マジイケメン! ……主人公ちゃん、どういうことでしょうか? 説明文に「左は、今の〜〜」は解るのですが、またしても「左側の〜〜」と書いてあるので。「右側」、の間違いではないでしょうか……? あっ、私の理解力の足りなさならごめんなさい! (2015年8月18日 17時) (レス) id: bc9e5537da (このIDを非表示/違反報告)
太宰紅峰 - ここまで読んでくださり、ありがとうございました!返信頑張って下さい。 (2015年8月18日 15時) (レス) id: 540c5db925 (このIDを非表示/違反報告)
太宰紅峰 - 和華さん :2つの作品は読んでます!如月駅は作品を見る前に知っていました。私の名前は目を瞑って本をパラパラと捲って出てきたキャラが[太宰治]と[紅峰]だったのでくっつけました。世界寿命と夏目との重なる部分があったのならごめんなさい。続きます。 (2015年8月18日 14時) (レス) id: 540c5db925 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:太宰紅峰 | 作成日時:2015年2月4日 9時

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