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番外編最終話〜再び幸せが訪れる〜 ページ19

ティアPart

リンカちゃんが成仏して一週間が経った。
パキリと貯古齢糖をおる音が室内に響いていた。
「なにやってンの?」
ラクは、突っ込みをAに交わす。
「いや、別に。……嗚呼、客が来た。私は暫く自室に戻るぞ。私に関係なさそうな客だ。」
と残して部屋を出て行ってしまった。
「どゆこと?」
私は首をかしげるとチリンと客がドアを開けた。
「あのぉ、すみません。探偵さん」
何処かで聞いた懐かしい声に振り返る。
振り返ると、深海のような瞳と深緑色のセーラー服。
「…リンカちゃん…?」
その子はとてもリンカちゃんに似ていた。

「お久しぶりです、リンカがお世話になりました。」
彼女は入院していたドッペルゲンガーの本体だった。
名前はわからないけど。
「リンカのこと、思い出したんです。何故か一時期忘れてたけど…自分のドッペルゲンガーのことを。…それでリンカのことを聞きたくてきたんです。ねぇ、探偵さん」
彼女は一息ため息をついて言った。



「リンカはちゃんと成仏できましたか?」


成仏しようとしたことを彼女は何故か知っていた。私はにっこりと微笑んで頷くと彼女は良かった、と返した。
そこから暫く雑談をした。すべて彼女が話すのはリンカちゃんの話だった。
どうやら、体の悪い彼女の初めての友達は自分の分身だったらしい。
「良い、思い出です。」
彼女は手に鈴蘭と勿忘草を持っていた。
素朴な花束のようにラッピングされてるそれを見て彼女は口にした。
「鈴蘭と勿忘草の花言葉って知ってますか?」
「えっ?」
「…鈴蘭の花言葉は謙遜、再び幸せが訪れる。勿忘草は…真実の愛と…
  私を忘れないで」
リンカにピッタリな花言葉ですよね。と彼女はふわりと笑った。
どうやら、退院したらしく隣町の家に帰るそうだ。
彼女が階段を降りる時私達は、ずっと彼女を見送っていた。
澄み渡る空と少し強いくらいの風のなか彼女は不意にこちらを向いた。
「そういえば、名前。言ってませんでしたね。」
振り向いた彼女は確に笑っていた。
「私は、レイカ。鈴蘭と書いて、レイカと読みます。」
とっても可愛い名前だと思った。あの子と同じ可愛い…
彼女の髪の毛が風に煽られる中、私は一瞬だけあの子が微笑んでくれてるように見えた。
「再び幸せが訪れる」また、レイカちゃんがリンカちゃんに会うことがあるのだろうか。
私は空を見上げると深海のように青いそらが広がっていた。


♪゜・*:.。. .。.:*・♪
文字数めッ…?!

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設定タグ:Neru家 , 探偵 , てにをは   
作品ジャンル:ミステリー
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太宰紅峰 - 和華さん :最後の最後まで誤字…すみません。はい!全力で応援しますね。頑張ってください! (2015年8月18日 18時) (レス) id: 540c5db925 (このIDを非表示/違反報告)
和華(元・ティティア)(プロフ) - ……ここまでお疲れ様でした。作品が終わるのはさみしいですが、この言葉を送ります。「思えば遠くへ来たなあ……」パクりとか言わないでくださいねっ☆(某有名な映画タイトル) こちらはこれからも頑張りますので! もう少しですが見てやって下さると嬉しいです。 (2015年8月18日 17時) (レス) id: bc9e5537da (このIDを非表示/違反報告)
和華(元・ティティア)(プロフ) - 永羽君マジイケメン! ……主人公ちゃん、どういうことでしょうか? 説明文に「左は、今の〜〜」は解るのですが、またしても「左側の〜〜」と書いてあるので。「右側」、の間違いではないでしょうか……? あっ、私の理解力の足りなさならごめんなさい! (2015年8月18日 17時) (レス) id: bc9e5537da (このIDを非表示/違反報告)
太宰紅峰 - ここまで読んでくださり、ありがとうございました!返信頑張って下さい。 (2015年8月18日 15時) (レス) id: 540c5db925 (このIDを非表示/違反報告)
太宰紅峰 - 和華さん :2つの作品は読んでます!如月駅は作品を見る前に知っていました。私の名前は目を瞑って本をパラパラと捲って出てきたキャラが[太宰治]と[紅峰]だったのでくっつけました。世界寿命と夏目との重なる部分があったのならごめんなさい。続きます。 (2015年8月18日 14時) (レス) id: 540c5db925 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:太宰紅峰 | 作成日時:2015年2月4日 9時

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