音流家妖霊探偵團弐~Nerukeyoureitanteidan ni~ (ページ17)

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呪いページ17

禄朗ﾊﾟｰﾄ

Aに絡み着いた蔦が更に強く絡み着いた。
辻は走りだし、唱え始めた。
ｰ疫を操り、我身に集え
「疫病神！」
辻が叫ぶと、痩せ細った気味の悪い妖怪が流れるように辻に入り込み、辻の姿は黒髪から黄色の髪に変化し、古ぼけた着物を見に纏っている。
辻は田中が赤龍に、吹かせた火を交わす。
「ｰなっ！」
沙苗も何とか避けたが髪の毛の先が少し焦げた。
少し出来た隙を見逃さずに辻は沙苗の腕を掴み力を使う。
「ｰお前は怨み狂った人間に打たれた藁人形、違うか？」
辻はにこりと微笑んだ。
「ｰお前を打った人間は恐らく"沙苗"だろう？そして沙苗は元祓い屋で、そいつの叔母も祓い屋をしていた。」
ｰ沙苗の腕が少しずつ腐った藁と化してきた。
「だが、その叔母の方が実力も何もかもが上、自分は劣等的な存在。それに何時しか怨みが生まれ、何時しか呪ってしまった。その呪いが強く沙苗の死後、靈はそこに残った。」
腕はもう腐りざらざらと音を立てていた。
「嫌、嫌だ消えたくない消えたくない消えたら私はｰ彼処に逝くことになる！いやｯ嫌ぁあああああッ！！！」
沙苗は腕を払おうとしたが体が動かなかった。
「ー、これは、蜘蛛の糸？！蜘蛛女！」
銀の糸を辿ると、イドラがニヤリと笑って云う。
「貴方はもう蜘蛛の糸から逃れられない。」
沙苗の顔は徐々に青ざめて行った。
「や、止めろ止めろ止めろ止めろッ！ヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロヤメロｵｵｵｵ！！！！！」
沙苗は叫び声を上げどうにか自由にした片方の手でAに手を伸ばした。
「届かない届かない届かない届かない届かない届かない届かないｯ！憎イィイイイイイイ！！」
辻を引きずるように強く手を伸ばしAの首にしがみつこうとした。
ｰ道ずれにするつもりか？！
辻が後ろに引こうとした途端、沙苗の手がAの首に触れた途端
"チリンｯ！"と音が聞こえ沙苗は跳ね反された。