†とある囚人の一日† ページ2
「起きろ！！薄汚い色人共！仕事の時間だ！」
看守の野太い低い怒号が響く。
此処は、牢獄No.５。
そして、俺はそこの囚人で色の付いた人間と書いて「色人」の
「囚人番号32！早く起きろ！！粛正されたいのかぁ！？アァン！？」
だ。
囚人番号32、生まれた時から此処にいる俺は、名前を持っていない。
物心ついた時から、こう聞かされた。
『貴様等は、色を持っている！！それは、凶悪な事である！貴様等には、人権などない！意思もな
い！貴様等は、ただのゴミ屑だ！』
ゴミ屑の俺に、名前なんてあってみろ、直ぐに粛正されちまう。
粛正って言うのは、いわば拷問みたいなもんだ。
看守にもよるが酷い時は、一週間近くやられる。
ま、大抵の奴らは五日目で辛すぎて死んじまうけどな。
「囚人番号32！何トロトロしている！！早く持ち場に着け！」
「はい……。」
ギシギシいう、トタンの道をズラズラと列を作って歩いていく。
ゴツい二人に、挟まれた俺は凄くチビに見えるんだろうな。
仕事場に着いた、ガヤガヤしている。
俺を含めて、この牢獄�癸気砲�12〜３人いる。
少ないとは、思わない。
これしか、いないのに何故五月蠅いのか。
それは、全員……。
「32だ！遅かったね！皆作業し始めてるよ！僕の隣空いてるよー！」
コイツは、囚人番号12。
そして、ある意味腐っている。
「いや、良い。俺は25の隣に座る。お前の隣になんて死んでも座らねぇ。」
と、12に向けてキッパリ言った。
「あら。私の隣ですか、お断りします。」
この、お嬢様モドキは囚人番号25。
昔から、俺を毛嫌いしている。理由は不明。
「じゃあ、91の隣に座るよ。」
「良いよ！クゥの隣に来ても！32は、良い匂いだから好きなんだ！」
と、言ったのは囚人番号91。
何故か、自分の事をクゥと呼ぶ。
看守がいる時は、さすがに言わないが。
いや、言わせないが。苦労している俺の気持ちを知って欲しいぜ。
仕事が、終わる時間は大体７時ぐらい。
そしたら、飯を食いにいく。んで、寝る。
それを、永遠に繰り返す毎日が、今日変わると思わないで仕事を黙々とする俺だった。
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夜桜 亜依(プロフ) - こんな作品待ってました。すごくおもしろいです。がんばってください、応援してます。 (2014年9月24日 22時) (
レス) id: 8c83d3b429 (このIDを非表示/違反報告)
暗弧(プロフ) - こういう作品を待ってました！ 頑張って下さい！ (2014年9月22日 15時) (レス) id: c6f44772d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：櫻澤琥珀 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/ANJUANJU/
作成日時：2014年9月22日 15時
