夜空に乗るには ページ10
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びっくりして、視線をアサヒちゃんに向けると。
彼女は一瞬わたしをチラッと見て。
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アサヒ「…カズらしくない。きらい。」
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ぷるんって尖らせた唇から、そんな言葉を落とす。
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アサヒ「一緒に帰るの楽しみにしてたのに、」
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和也「ごめん。でも今日は」
アサヒ「もうわかったよ！もういい…、わたし帰る」
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二宮くんの諭すような声を遮って、教室を飛び出した彼女は。
ふわん、とお花みたいな香りをここに残した。
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その香りに、とてつもなく罪悪感を感じて。
「…ね、ぇ…良かったの？」
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あんなに二宮くんのことが好きって、伝わってきたのに。
どうしてわたしは、はっきり断らなかったの。
"一緒に帰ってあげて"って。その一言が、言えなかった。
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二宮くんも、二宮くんだよ。
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和也「ん。手のかかるやつなんだよね…笑」
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少しだけ口角をあげて、眉先をたらして笑うその横顔は。
とっても、寂しそうだよ？
切ないって表情、してるよ？
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そんな顔するなら。
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わたしなんか放って、一緒に帰ってあげてよ。
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じゃないと、わたしも。
少しの期待が、ガシャンって崩れて。
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少しだけ。ほんの少しだけ。胸が痛い。
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それを振り払うかのように、出来上がった日直の仕事の束をまとめて。
帰る準備をしたわたしを見て。
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和也「…さ、帰ろっか？」
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そう微笑む彼の表情に、さっきの切なさみたいなものは、もう含まれてなくて。
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それにホッとしたわたしは。
卑怯者、ですか？
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みーる(プロフ) - 369Cocoaさん» Cocoaさん、励ましのコメントありがとうございます！(*´∀｀*)そんな風に思っていただけてるなんて、嬉しい限りです。本当に、こんな作品にお付き合いいただいてお褒めの言葉までいただいて。夢のようです！これからも私らしく頑張りますので宜しくお願いします！(*^^*) (2016年6月4日 0時) (
レス) id: 3f7486cc04 (このIDを非表示/違反報告)
369Cocoa(プロフ) - みーるさん、初めまして。いつも作品を読ませて頂いてます( *´艸`)みーるさんの作品の描写がとても綺麗で読んでいて「なんて素敵な作品を書く方なんだろう」とずっと思ってました。なかなかコメントも出来ない小心者ですが、いつも素敵な作品をありがとうございます。 (2016年6月3日 23時) (レス) id: 079fac21ec (このIDを非表示/違反報告)
みーる(プロフ) - ゆかりさん» コメントありがとうございます(*^^*)本当に素敵な方ですよね(*´∀｀*) (2016年6月3日 15時) (レス) id: c7d9e069d9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 二ノ大好き愛してる (2016年6月2日 17時) (レス) id: 59f29188ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みーる | 作成日時：2016年5月29日 19時
