いいよどこまでも行こうよ ページ9
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女の子らしいっていう文字がぴったりの、可愛くて透き通った声で二宮くんを呼びながら
教室の後ろの扉をバンって開けたのは。
彼女の声より可愛くって綺麗な、お人形さんみたいな女の子。
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勢いよく開いた扉の音に、目を覚ました二宮くんは彼女を見て。
アサヒ。そう呼んだ。
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アサヒ「もう〜カズ、こんなとこにいたの！？」
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めっちゃ探したんだから〜！って。
いじけた感じで、でも嬉しそうに言いながら私たちの前に歩いてくる女の子。
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短いスカートを揺らして、二宮くんの前に立ち止まった彼女からは
お花みたいな。甘い、蜜みたいな匂いが、ふわんと香った。
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アサヒ「ね、帰ろうよ、カズ〜。もう６時前だよ？」
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長いサラサラの髪の、くるんってした毛先を揺らしながら
二宮くんの腕を引っ張るアサヒちゃん。
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そんな彼女を二宮くんは、ちょっと困ったようにみてた。
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和也「ん〜。今日はさ、先帰っといて」
アサヒ「え、なんで！？いっつも一緒に帰ってんじゃん！」
和也「別に俺がいなくても一緒だろ？他のやついんだろ？」
アサヒ「そうだけどさ…カズいないと寂しい」
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会話に入ることもできず、二人の会話を聞いてるだけのわたしは。
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あぁ、もしかして。
わたし、邪魔だったかな。
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痛む胸の理由なんか考えずに。
二人に断りを入れて先に帰ろうかと、机の横にかかったカバンをギュッと握った。
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その瞬間。
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和也「ごめん、アサヒ。今日はさ、Aと帰る約束してんの」
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いきなりの呼び捨てに、びっくりして
机の上にあった視線をパッと二人に移す。
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ドクン、ドクンと胸が音を立て、鳴り止まない。
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やっとおさまったと思っていたドキドキがまた、いとも簡単に溢れ出てくる。
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みるみるうちに瞳に涙を浮かべるアサヒちゃんを横目に
チクチクって痛む胸をよそ見して。
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「ぇ、っと、二宮くん、わたし…」
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先帰るから大丈夫だよ。って。
言い終わる前に。
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すぐ隣から、ぐすん、って鼻をすする音がした。
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みーる(プロフ) - 369Cocoaさん» Cocoaさん、励ましのコメントありがとうございます！(*´∀｀*)そんな風に思っていただけてるなんて、嬉しい限りです。本当に、こんな作品にお付き合いいただいてお褒めの言葉までいただいて。夢のようです！これからも私らしく頑張りますので宜しくお願いします！(*^^*) (2016年6月4日 0時) (
レス) id: 3f7486cc04 (このIDを非表示/違反報告)
369Cocoa(プロフ) - みーるさん、初めまして。いつも作品を読ませて頂いてます( *´艸`)みーるさんの作品の描写がとても綺麗で読んでいて「なんて素敵な作品を書く方なんだろう」とずっと思ってました。なかなかコメントも出来ない小心者ですが、いつも素敵な作品をありがとうございます。 (2016年6月3日 23時) (レス) id: 079fac21ec (このIDを非表示/違反報告)
みーる(プロフ) - ゆかりさん» コメントありがとうございます(*^^*)本当に素敵な方ですよね(*´∀｀*) (2016年6月3日 15時) (レス) id: c7d9e069d9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 二ノ大好き愛してる (2016年6月2日 17時) (レス) id: 59f29188ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みーる | 作成日時：2016年5月29日 19時
