7.一筋の光 ページ8
(ふぅ…危機一髪って感じだった〜
「チトセ、もう歩けるから…」
「ほんと、大丈夫か？」
(その優しさ、普段もやって欲しいんですけどっ！？
「てか、俺たち…何か忘れてないか？」
「うん…何か、あったよね…？」
顔を見合わせて、お互い、顔色が青くなる
「「…カリンは！！？？？」」
Aside
(ううっ…勝手に体が動くっ！止めなきゃっ！)
動かない体と格闘してた時に、目の前に、ライトグリーンの髪が現れた
「…Aちゃん…？」
「カリンさん…」
今は自分の意思通り喋れるらしい…
「フウカちゃんとチトセくんを知らないかしらぁ？気付いたら牢屋に閉じ込められちゃってて…はぐれちゃったんだけど〜…」
「実は…」
と言おうと思ったんだけど、途端に口が動かなくなっちゃって…
その時、耳元で微かに嘲笑っている、ザカールの声がした
(えっ！？なんで聞こえんの？
『A…今のお前は操り人形だ。お前の意思通りにはさせん。しかも、これはテレパシーを使っているから、緑の髪の奴には聞こえん。』
ザカールがそう言い終わると、私の体は意思とは反対に、カリンに向かって魔法を唱えてしまう
(うそ〜、どうしよう…このままだと、あたっちゃうよっ！逃げてよ、カリンさんっ！！
必死に解決策を見つけようとするけど、頭が真っ白でどうにも出来ない！
(ちょっ、だれか、助けてっ
もどかしく思っていた、ちょうどその時
「Aちゃん、最初に会った時と目の色が違う…」
(カリンは今まで私の行動とか、言動を把握するためにわざと近くで攻撃を受けてたの！？
「…そっか、そうよね、Aちゃんはこんな事しないと思うし、操られてるのね？」
(…カリンっ！
そうすると再びザカールの声がする
『見抜かれてしまったようだな、ここらでお遊びはやめにするか…。A早くやれ。』
私の体は、今までよりも一段と動きが早くなり、自分でも何が起きているのか、よくわからない
(このままだと、カリンをっ、傷付けちゃうっ…！何かいい方法、…あっ、あるじゃんっ、
私は全神経を集中させて、幻覚とか、操りに、かかった時のための魔法陣を思い浮かべる
(自信はない…けど、ジーク様に教わった技だもん。友達を助けたい！
すると今まで動かなかった私の足元に、じわじわと赤い魔法陣が出てきた。
「…っこれで、終わり…よっ！！」
『…ぅう��うあ゛あ゛』
眩しい、光が溢れた
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作者名：あんず | 作成日時：2018年5月3日 15時
