1.赤の国 ページ2
ガラガラと音を立てて、あたしたちの横を馬車が通り過ぎていく。空を見上げると沢山の人が箒に乗って行き交っていて、街全体が賑やかだ。
「やっと着いた〜！！わー！いっぱい食べ物売ってる！！」
「ほんとね〜、こんなに賑やかな商店街初めてだわぁ」
「フウカ、絶対にふらふら〜って何処かに行くなよ？」
「わかってるわよ！失礼ね！！」
わかってはいんるだけど、食べ物のいい匂いだったり、知らないフルーツがあると、食べたくなっちゃうよねー！
「ねぇ…なんか食べない？」
「そうねぇ、お腹空いちゃったわ〜」
「カリンもそう言ってるし、いいよね？」
「はぁ、しょうがねーな。そのかわり食べ終わったら、赤の城に行くからな」
「「はーい！」」
「じゃあ、さっそく…いk」
！？？？
突然、何かがぶつかってきた。その反動で後ろに転がった。
「っ〜いったーい！何！？？」
「っ…ごめんなさい！」
見ると同い年ぐらいの女の子が尻もちをついていた
「フウカ、大丈夫か。…ったく、周りをよくみないから…ところで、君は大丈夫？」
「大丈夫です。ありがとう」
女の子は埃を払いながら立ち上がった
「フウカちゃん謝らなきゃ駄目じゃない〜」
カリンも後ろから追いついてきて、息を切らせながら言った。
「あ…そうだよね、ぶつかっちゃってごめんなさい…」
慌てて立ち上がって、頭を下げて、相手の顔色を伺った。
「いえ、こちらこそ、申し訳ないです。」
律儀に挨拶をしている姿は、しゃんとしていて凛々しい
「あ、あたし、フウカって言うの！この国に初めてきたからわからないことだらけで…」
「私はAです。赤の城のプリンセスです。あの…銀の城のフウカさんですよね…？」
「え、なんで知ってるの…」
「その“金色の髪”は目立ちますので…因みに、チトセさんとカリンさんも。」
(この髪って前にも呪われてるとか言われたけど、何かあるの…？)
我を忘れて、この“金色の髪”について考えてしまう
「…カ、フウカ！！大丈夫か？？」
チトセがあたしの頬を撫でてる感覚で現実世界に戻された
「っあ、大丈夫…、ありがと」
(今こんな事考えてる場合じゃないよね…！！)
「えっとぉ、Aちゃんは、偶然ここにきたの？」
Aは改めて姿勢を正して言った
「あの、実は…皆さんにに手伝って欲しい事がありまして…」
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作者名：あんず | 作成日時：2018年5月3日 15時
