転落少年（仮）【暗殺教室】 (ページ28)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:36,067 hit

Time of sadness ページ28

最近、時雨くんが学校に来ない。
何時間目に来る、とかじゃなく、ばったりと。
本当に急だった。
先生が何回も家に行っているらしいが、学校が嫌になったらしく家からも出てこない。

渚「殺せんせー、昨日もダメだった？」
殺「…はい、何度呼びかけてもダメでした。理事長先生にも言ってみたのですが…」
カルマ「あの人が何かしたんじゃないの？」

みんながそう思っているだろう。僕らは何故ここに来たかの真相は知らないが、理事長先生が関わっていることには間違い無いのだろう。

殺「とりあえず、学校に来られるようになるまでそっとしておきましょうか…」

ーーーーーーー
その日の放課後、欲しい雑誌の発売日だったから遊びの誘いを断って本屋に寄った。

渚「んー、どこだろう…ん？」

見覚えのある後ろ姿。黒髪に赤のメッシュ、猫背気味の背中。
間違いない。時雨くんだ。

渚「あっ…ぅ…」

声、掛けてもいいのかな…
でも何か力になれるかもしれないし…
こんな僕でも、少しでもクラスの助けになるかもしれないけど…
僕のちょっとした"正義"なんかで傷ついちゃったら、嫌われるかな…

悶々と考えていたら、スッと前に一冊の雑誌が差し出された。
驚いて顔を上げると、カルマくんだった。

カルマ「これだよね？」
渚「あっ…うん、ありがとう」

カルマくんがじっとレジを見つめる。
何を見ているのかと思って同じ方向を見ると、時雨くんが同じ様にじっと僕たちを見ていた。

カルマ「…どうする？」
渚「……うん」