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無計画なる放浪者 part7 ページ39
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どれだけ眠り、覚醒する日が続いたのだろう。
ある時、落ち込んだ様子のアイリが椅子に座っていた。長い睫毛を伏せて溜め息をつく彼を見て、ユウは思わず手を握って、「大丈夫？」と聞いてしまう。
それの何が悪かったのか、アイリは頬を膨らませこちらを威嚇するように「そんなこと言ってていいの？」と尋ねてくる。
彼のことが怖いのは事実だ。一時正気でなくなるくらいひどい仕打ちをされたし、逆らえないのもこの身に叩き込まれた恐怖のせいだ。しかし、アイリのことを拒めない自分もいる。
ユウは迷った。アイリは苦手だし怖い、だけれども。そうして逡巡していると、アイリが突然「ほんっとにやめてよこの馬鹿っ」と毒を吐いた。
なんのことかは分からない。困惑するユウにキミが悪いと言って、アイリは怒ったように押し倒してきた。
こういう行為は苦手だし、辛い。いつものように、酷い目に遭わせてもくるだろう。
――手加減してよ。
そう告げるのは、羞恥とともに諦めがあった。ただ、初めての時のように、仕方がないと思ってしまったのだ。
完全に自分の負けであると、ユウはその事実から目を背けた。
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作者名：ゼファー | 作成日時：2021年1月14日 13時
