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愚者の妄言 part3 ページ32
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「……ほんっとにやめてよこの馬鹿っ」
「え？」
「煽ったキミが悪いんだから。我慢、してあげてたのに」
「ちょっと待って！？」
この発言は逆ギレに近い。しかし、ユウの煮えきらぬ態度を見ていたら衝動は止められなかった。
アイリはユウの掛け布団を捲ると、諦めの悪いユウの耳元で優しく囁いた。
「ずっとしてなかった分、今からたぁくさん可愛がって上げるから。覚悟してねぇ、ユウちゃん」
その囁きに、ユウはんっと小さく体を震わせて、それから「手加減してよ……」と恥ずかしげに、視線を逸らして言った。
「だから付け入られるんだよぉ、ユウちゃんは」
体調が悪いのはアイリのせいなのに、彼が世話をしてくれていたと知ればユウは拒めない。そんな彼が愛おしくて仕方がない。
(馬鹿だよねぇ、ユウちゃんも、ワタシも)
再び心の中で呟いて、アイリは久しぶりに心からの笑みを浮かべた。
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作者名：ゼファー | 作成日時：2021年1月14日 13時
