#6 隠されしトーラー part1 ページ21
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以前のように遠回りして歩くことすらせず、ユウの負担を考えぬ飛行速度で家の前に降りたアイリは乱暴に扉を開けて寝室へと歩いた。
予告もなく放り出されるユウは、なんの抵抗もできずベッドに沈む。
そうしてユウを組み敷いたアイリは彼のスラックスを下ろす。シャツのボタンも外し、中途半端に脱がされたユウはうつ伏せに転がされた。
アイリにおかされるときは大体そうだった。半端に脱がされ、身動きを封じられたまま啼かされる。
凄まじい痛みを伴い侵入するそれに、ユウは聞いている方が痛々しくなるような声を上げた。
彼は怒っている。おそらく、以前連絡が遅れた時よりも遥かに。――なぜ? ユウの中で浮かんだ疑問は直ぐに回答が出る。
自分が帰ってしまうと思ったから?
仲間が迎えに来たと思った?
ろくに慣らしもせず始まった行為は、彼の激しい怒りを示している。多少潤滑剤を纏っているといえど、痛みの強いこれは明らかに普段とは違った。
ユウの中を蹂躙し、何度悲鳴を上げようと動きをやめず達したあと、アイリはユウに覆いかぶさって囁いた。
「ユウ、キミはボクのものなんだ。誰にもあげない、渡さない。絶対に」
「ひ、ぃ……ッ」
刻み込むが如く、呪うが如く。
アイリは、繰り返す。
「ごめ、なさ……ごめんなさい……もう、ッ……」
ゆるして。
痛みと恐怖に涙を流しながら、ユウは何度も「ごめんなさい」と言う。
それは、何に対しての?
奥を小突いて尋ねるアイリに、ユウは言葉に詰まりながら答えた。
「逃げ、ないからっ、一緒にいるから、もうやめて……ッ、あ゛……!?」
「何、逃げるつもりだったの」
「ぁう、っちが……」
ぐっと押し込まれる熱にユウはまた呼吸を忘れる。違う、とユウは繰り返すが苛立った様子のアイリが止めてくれる訳もなく、緩やかに中を擦りあげられる。
アイリは怒っている。仲間と会ってしまったことに。
ユウの方に彼らと接触する意図はなかった。ただ偶然見つかっただけ。しかし彼にそれを知る術はないし、ユウを逃がすつもりはないだろう。以前、連絡が遅れただけで酷い仕置をした彼である、この身体に執着されていることはわかっていた。
自分の何がいいのか分からない。女ですらないのに。どうしてわたしが。理不尽な仕打ちにユウの思考回路はそんな言葉ばかりを形にする。
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作者名:ゼファー | 作成日時:2021年1月14日 13時