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真っ黒い球体の浮かぶ帳に覆われた空の下、禪院真希は黙ってそれを見上げていた。
領域展開。それは術師であれば誰もが憧れるであろう最強の術だ。
･･･以前、真希は五条にひとつ尋ねたことがあった。
｢Aっていっつもあんな子供っぽいのか？｣
これは真希が高専に入学して間もない頃、Aに会ってから少し経ったある日に五条に言った言葉。
真希は初対面からの数日で、彼女に｢子供っぽい｣というレッテルを貼っていた。ピーマンは残すし、完全記憶というチート級の能力を持っているにも関わらず語彙力が変なところで乏しい。
五条は真希の純粋な疑問に対し少し考えるように手を顎に当てて唸った。
｢そうだね、子供っぽい面は確かにある。
･･･でも、Aが置かれた環境を考えるとそれも仕方ないなって思えちゃうかも｣
｢仕方ない？｣
｢そ。Aはさ、ちっちゃい頃からずぅーっと上層部のド腐れミカンどもから呪いに関することを教えこまれてるの。僕達が偶に漫画持ってってあげたりとかはしてたけど･･･。基本的に一日のスケジュールは訓練で埋まってる感じ？
だからさ、僕思ったんだけど。Aは多分、子供の時スキルのレベルアップに使える経験値を全部呪術センスに使っちゃったんじゃないかなぁ、って。ほら、Aって呪術センス以外はほぼ子供に近いレベルじゃん？
僕、Aの呪術センスはピカイチだと思ってるからね〜！あれはきっと今後化けるよ。だから仲良くしてやって、Aって結構後輩大事にするから｣
あの時の真希は珍しく五条がまともなこと言ってるな、なんて薄い考えしか持たなかったけれど、今なら彼の言っていた意味がよく分かった気がした。
｢(領域展開･･･。半端ねぇな)」
真希は信じられないような気持ちで、空に浮かぶ異質な黒い球体を眺める。あの中でAが勝ってくれるのを願うばかりだ。
そんな事を思っていれば、唐突に真希の耳を怒鳴り声がつんざいた。
｢なぁおい、これどうなってんだよ！お前らはあの鬼に対抗できないのかよ･･･！？｣
ちらりと声の方を見れば、そこには坊主頭の青年の必死そうな顔。真希は再び上空に視線を滑らせ、そちらを見ないまま口を開く。
｢私達は何も出来ない。･･･あんな戦い、どうなったって私達が出る幕はない。
次元が違いすぎるんだよ、私達が無闇に増援に行ったって邪魔になるだけだ｣
｢ッじゃあせめて、俺達を外に逃がしてくれよ！いつ飛び火するかわかったもんじゃねぇ！｣
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raiz(プロフ) - 神里浦飛さん» わー、そう言って頂けて嬉しいです！！こちらこそありがとうございました！ (3月31日 17時) (
レス) id: 9fe4c24c21 (このIDを非表示/違反報告)
神里浦飛(プロフ) - 面白くて一気読みしました！最後まで読んだ、と思ったら、番外編の千切りに爆笑させられました。楽しい時間をありがとうございます！ (12月7日 20時) (レス) @page49 id: fb6d1b08bc (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - れんれんさん» 返信遅くなり申し訳ありません、コメントありがとうございます！最後に面白かったと言って貰えるよう頑張っていたのでその言葉が沁みます･･･(*´꒳`*) (2023年4月14日 21時) (レス) id: 83866824e4 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - リィさん» コメントありがとうございます！ここまで読んで頂き感謝しかないです･･･！！返信遅くなって申し訳ない･･･。 (2023年4月14日 21時) (レス) id: 83866824e4 (このIDを非表示/違反報告)
れんれん - 完結おめでとうございます！ほんとに面白かったです(*^ω^*)番外編待ってます！！！ (2023年4月9日 15時) (レス) @page45 id: 63496a6874 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：raiz | 作成日時：2023年3月25日 23時
