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ぐ、と親指を立てて自信満々に言ったAだったが、真希にぴしゃりとツッコまれてしまった。
真希は洒落た服屋へと歩を進め、適当に服を見繕うとAの体にそれを軽くあてる。
「ほら、スカートとかかわいい系じゃなくてパーカーとかボーイッシュな感じの服ならお前にも似合うんじゃねぇの?」
「・・・確かに、A先輩にはガーリーな服着てるイメージ無いかも・・・?」
乙骨は可愛らしいピンク色のスカートを穿いたAの姿を想像しようとして、失敗した。
Aはどちらかと言うとスカートがめくれるのも厭わずに走り回っていそうだ。そう考えるとズボンスタイルの方がAに合っているかもしれない。
「・・・うーん、A先輩の制服のズボンは膝下だし、それに合わせるとこういうのは・・・。」
「あー、確かにいいな」
「私ショートパンツも好きだよ。ハーフパンツも偶に着る」
真希とAのファッショントークに混ざった乙骨は、それに置いてかれることなく見事に順応して見せた。パンダは「まずいぞ、憂太が女子組に混ざり始めた・・・!!」と狗巻にコソコソ話していたが、狗巻はそれにニヤリと笑みを零すと盛り上がっている女子組+乙骨の元へ歩きだし、黒いキャップを掲げて「高菜?」と首を傾げた。
「おー、キャップか。確かにそういうのも良いよな」
「棘ーーッ!俺を裏切ったな!?」
「パンダ煩い」
真希は言葉一つでぴしゃりとパンダを黙らせると、帽子を手に取る。
ぽす、とAの頭に狗巻チョイスの黒いキャップが被せられた。それを見て、真希は「おお」と声を零す。
「なかなかいーじゃん」
「しゃけっ!」
狗巻が「似合ってる!」とでも言うかのように親指を立てて言った。真希もAの姿を一歩引いて見つめている。
「おいA、このパンダキャップは!?」
「いや、かわいい系はちょっと・・・」
「っンンなァんでだよォォ!!!」
___そうしてわいわいとAが着せ替え人形の様にこれを試着してこいあれを試着してこいと指示され、ようやっと買う服が決まった時。
ぶぶぶ、とポケットの中でバイブレーションが響いた。Aは自分の携帯を確認する。
ホーム画面にはメッセージアプリの通知が表示されていて、それをタップすると潔とのトーク画面が表示された。
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raiz(プロフ) - 神里浦飛さん» わー、そう言って頂けて嬉しいです!!こちらこそありがとうございました! (3月31日 17時) (レス) id: 9fe4c24c21 (このIDを非表示/違反報告)
神里浦飛(プロフ) - 面白くて一気読みしました!最後まで読んだ、と思ったら、番外編の千切りに爆笑させられました。楽しい時間をありがとうございます! (12月7日 20時) (レス) @page49 id: fb6d1b08bc (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - れんれんさん» 返信遅くなり申し訳ありません、コメントありがとうございます!最後に面白かったと言って貰えるよう頑張っていたのでその言葉が沁みます・・・(*´꒳`*) (2023年4月14日 21時) (レス) id: 83866824e4 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - リィさん» コメントありがとうございます!ここまで読んで頂き感謝しかないです・・・!!返信遅くなって申し訳ない・・・。 (2023年4月14日 21時) (レス) id: 83866824e4 (このIDを非表示/違反報告)
れんれん - 完結おめでとうございます!ほんとに面白かったです(*^ω^*)番外編待ってます!!! (2023年4月9日 15時) (レス) @page45 id: 63496a6874 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:raiz | 作成日時:2023年3月25日 23時