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秤達の謹慎の件はAも聞いていた。百鬼夜行の際に問題行動を起こしたとか。
Aは「そっかあ」と相槌を打つと、まだ訓練に付き合ったりはできなさそうだと言う旨を伝えた。それに対し、真希は納得したように頷く。
「まあ、結構ヤバそうだもんな、あの施設。
計画の内容が既に呪霊発生装置みたいなもんだ。発案者はまさに稀代のエゴイストだろうよ」
「あー、まあ呪術界のお偉いさんがストップはやんわりかけてるだろうね。それでも突き通してるのなら、結構エゴイストって言えるかも?」
真希が肩を竦めて言い、乙骨もそれに同意した。発案者は帝襟だと聞いていたのだが、Aも帝襟が実は絵心に次ぐエゴイストなのではないかというのはずっと思っていたことだ。
「・・・そういや、今日はショッピング行くって聞いてたんだけどどこ行くの?」
「あー、あんまちゃんと決めてねぇけど、都内のどっかだな。渋谷とかその辺点々としてればいいんじゃねぇ?」
・・・真希、ノープランだな。
パンダのボソッとした声と、それに肯定の意の「しゃけ」という声が聞こえた。
「うっせ、良いんだよ。取り敢えず、さっさと行くぞ!」
「はーい」
真希とAの女子組に続け、男子組も歩き出す。傍から見ればダブルデートの様に見えるのかもしれないが、後ろにパンダを連れている時点で何かがおかしいのは誰でもわかるだろう。
実際、A達の姿は何処へ行っても人々の目を引いた。
「え、ちょ、待ってパンダいる!」
「着ぐるみかー?」
「おかーさん、パンダさんいるよ〜!」
・・・一張羅(高専制服)を着た真っ黒コーデのA、端正な顔立ちをした真希、濃いクマの目立つ乙骨、そしてマスクで顔を隠した狗巻、極めつけにはパンダ。
圧倒的不審者集団と化したA達は、人々の視線を一身に受けながらもショッピングモールへと入った。
ちなみにショッピングをしないかと提案したのは真希だ。
基本的にAの部屋着などを選んでいるのは真希だったのだが、ブルーロックにてAが白シャツに半ズボンという服装しかしていないという情報を手に入れ、流石に年頃の女がそれは無いだろうと思ったというのが提案の理由である。
「お前はもっとファッションに気を遣え!私でさえ私服は何着かは持ってるぞ」
「いや、割とどこでも制服でいける」
「お前今完全不審者なの分かって言ってる?」
「しゃけしゃけー」
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raiz(プロフ) - 神里浦飛さん» わー、そう言って頂けて嬉しいです!!こちらこそありがとうございました! (3月31日 17時) (レス) id: 9fe4c24c21 (このIDを非表示/違反報告)
神里浦飛(プロフ) - 面白くて一気読みしました!最後まで読んだ、と思ったら、番外編の千切りに爆笑させられました。楽しい時間をありがとうございます! (12月7日 20時) (レス) @page49 id: fb6d1b08bc (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - れんれんさん» 返信遅くなり申し訳ありません、コメントありがとうございます!最後に面白かったと言って貰えるよう頑張っていたのでその言葉が沁みます・・・(*´꒳`*) (2023年4月14日 21時) (レス) id: 83866824e4 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - リィさん» コメントありがとうございます!ここまで読んで頂き感謝しかないです・・・!!返信遅くなって申し訳ない・・・。 (2023年4月14日 21時) (レス) id: 83866824e4 (このIDを非表示/違反報告)
れんれん - 完結おめでとうございます!ほんとに面白かったです(*^ω^*)番外編待ってます!!! (2023年4月9日 15時) (レス) @page45 id: 63496a6874 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:raiz | 作成日時:2023年3月25日 23時