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未だ大きな歓声が空気を震わすスタジアムの中、Aはアツくなった脳で考えた。Aは今まで幾度となく呪霊と相対してきたが、一度も覚醒というものを経験したことがない。
白宝で紅蓮と戦った際は近いところまで行ったのかもしれないが、あれはきっとAの思う覚醒ではない。どちらかと言えば、極限状態でのとんでもない集中、呪霊の本能を呼び覚ましたことによるFLOWに入ったと言う方が合っている。
「っずび、ありがどう、Aちゃん・・・っ、明日、洗って返すね・・・!!」
「うん」
兎にも角にも、ブルーロックイレブンはU-20日本代表との試合を制した。
・・・ブルーロックは存続、という訳である。
「Aちゃんには才能の原石共が休暇中、ブルーロック大掃除任務を遂行してもらう」
「・・・・・・。・・・・・・エ?」
U-20日本代表戦を終え、モニタールームへとやってきたAに下された命令はそんなものだった。
てっきりAも少しくらいは休みを貰えるものだと思っていたので、思わず声を漏らしてしまった。・・・が、考えてみれば絶えず呪霊が発生し続けるこの施設で一日でも休暇を取れば大変なことになってしまうかもしれない。
「・・・っていうのも苦だろうし、明後日は休んでもいいよ。五条さんから連絡があって、一日ぐらいは休暇とらせてやれってさ」
「サトル・・・!!珍しく良い働き!」
・・・と、喜びを噛み締めていたのが昨日の話。
Aがブルーロック内を歩いていれば、潔、蜂楽、千切の3人がスマホ片手に話しているのが見えた。あちらもAの姿に気づいたようでスマホから顔を上げてAの姿を瞳に映した。
「お、A!」
潔が片手を上げて声をかける。Aは彼等の元へ近付くと、「何してんの?」と首を傾げつつ質問した。
「みんなでLI○E交換してたとこ!」
「俺らで連絡取り合うこともこれからあるかもしんないしな。一応」
蜂楽と千切が答えた。Aはなるほどと頷く。すると、潔がスマホを掲げて口を開いた。
「良かったら・・・その、Aも交換しないか?LI○E」
「・・・ん〜。」
潔の誘いに、Aは顎に手をあてて考える。五条からあまりよく知らない人との交換は避けるよう言われているが、潔は十分に友達だといえるだろう。・・・きっと、五条も許してくれる。
・・・ちなみにこのブルーロック内で、ゴールボーナスを使ってスマホをゲットした凪とは既に交換していた。
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raiz(プロフ) - 神里浦飛さん» わー、そう言って頂けて嬉しいです!!こちらこそありがとうございました! (3月31日 17時) (レス) id: 9fe4c24c21 (このIDを非表示/違反報告)
神里浦飛(プロフ) - 面白くて一気読みしました!最後まで読んだ、と思ったら、番外編の千切りに爆笑させられました。楽しい時間をありがとうございます! (12月7日 20時) (レス) @page49 id: fb6d1b08bc (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - れんれんさん» 返信遅くなり申し訳ありません、コメントありがとうございます!最後に面白かったと言って貰えるよう頑張っていたのでその言葉が沁みます・・・(*´꒳`*) (2023年4月14日 21時) (レス) id: 83866824e4 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - リィさん» コメントありがとうございます!ここまで読んで頂き感謝しかないです・・・!!返信遅くなって申し訳ない・・・。 (2023年4月14日 21時) (レス) id: 83866824e4 (このIDを非表示/違反報告)
れんれん - 完結おめでとうございます!ほんとに面白かったです(*^ω^*)番外編待ってます!!! (2023年4月9日 15時) (レス) @page45 id: 63496a6874 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:raiz | 作成日時:2023年3月25日 23時