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「お、珍しいな凪がそういう事言うの･･･｡」
「レオもAも居るなら行こうかなって｡」
凪はスマホをポケットに仕舞い、そう言った｡
その時、授業開始5分前を知らせる無機質なチャイムが鳴りだす｡そろそろ教室に戻らないとまずい｡
「げ、次三田の授業だ｡早く戻らないと面倒くさいことになる･･･｡じゃね｡」
そう吐き捨て、凪は足早にその場を去っていった｡御影とAも立ち上がり、教室へ向かい出す｡
「はあ、衣装合わせの時大変なことになるんだろうな･･･｡」
Aは遠い目でぼやいた御影の言葉の意味が分からなかった｡･･･しかし、Aはその意味を痛感することとなる｡
「はい、これはAちゃんの衣装ね！こっちが御影くん！で、これが一ノ瀬くん、これは･･･｡」
9月下旬となり、段々と季節が秋めいてきた日｡
そんな日の放課後、文化祭の実行委員は執事役の人間に衣装を手渡していった｡
どうやらこれを着て、サイズ感をチェックしたあと皆に執事姿を見せなければいけないらしい｡
クラスメートの生徒達は皆教室に残っている｡各々執事姿を見たい人間がいるのだ｡
Aは更衣室にて受け取った衣装を広げ、袖を通す｡
基本は燕尾服のようだが、襟や袖の部分に豪奢な装飾がついているしジャケットの裏地は高級そうな赤色の布になっている｡
この学校金あるな、なんてどうでもいい感想を持ったAは赤色の偽宝石があしらわれたブローチを首元に着ける｡
そして手に黒い革手袋をはめ、革靴を履けばひとまずは執事の完成だ｡
しかしまだ男装が出来ていない｡
Aは化粧役の女子生徒達の元へ向かい、化粧を施してもらった｡
そうしてできた姿は、Aでも驚く程の出来だった｡
姿見の中に映るのは、朱色の短髪を持った小柄な少年だ｡
おぉお、と感嘆の声を漏らすAを化粧役の女子生徒はニコニコと笑って見つめる｡黙っていればクールな少年の執事に見えるが、何時ものように喋っていると「クール」の部分が途端に「元気」という単語に置き換わる｡
女子生徒は「こりゃうちのクラス人気出るだろうな」と考えた｡御影がいるだけでも十分集客効果はあるのに、こんなに可愛らしい執事がいたならばもっと客が集まるだろう｡
可愛い顔をして意外とがめつい女子生徒は「これで文化祭の売上1位はうちのクラスね」と内心ほくそ笑んだ｡しかしそんなことは微塵も感じさせない態度でAに「皆のとこ行ってきな」と声をかけるのだった｡
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raiz(プロフ) - 六花さん» コメントありがとうございます、こっちにもコメントしてくださってたんですね･･･！小説に散りばめたギャグ要素がちゃんと機能しているか心配だったのですが、そう言って頂けると自信が持てます！これからも頑張りますね！！ (2023年2月27日 22時) (
レス) id: 1861dc87f7 (このIDを非表示/違反報告)
六花 - 初コメ失礼します、最近読み始めた者です！音のソノ○ティにツボって先に進めません！更新頑張って下さい! (2023年2月26日 11時) (レス) @page25 id: 5137519573 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - ずんだ餅さん» コメントありがとうございます、その一言で救われます･･･！！続編移行までまだ掛かりそうですが、気長に待って頂けると幸いです！！ (2023年2月23日 0時) (レス) id: cec7109ca5 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - アルです！\(●°ω°●)/さん» 2度目のコメントありがとうございます、続編移行までまだかかりそうな上、新しい小説が出せるのはもっと先になってしまいそうですが今後ともよろしくお願いします！！ (2023年2月23日 0時) (レス) id: cec7109ca5 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - おもしろかったです✨続編待っときますね！(*｀▽´*) (2023年2月22日 17時) (レス) @page50 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：raiz | 作成日時：2023年2月7日 22時
