呪術師、潜入します。 中【ブルーロック】【呪術廻戦】

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次はこのチーム、次はあっちのチームとAはバタバタ走り回る。その途中髪の長い男から「ベリーオシャ」とかなんとか言われたり、黒髪の下まつ毛バサバサな青年からは「退けぐるぐる目」と暴言を吐かれたりとAは既にボロ雑巾の様になっていた。
先程の金髪の青年といいオシャな人といい下まつ毛青年といい、このブルーロックには個性的な人間しか居ないのだろうか。いや、高専も大体そんなもんだったが。

口から魂(幻覚)を抜けさせつつ、Aは次のチームの扉をガチャリと開ける。今度は関西弁の男(前に髪が突き出てる)に「なんやサイドテール朱色娘」と罵られた。

「うっせーカラスタビトのぐるぐる目！！偶にだけど！！」

「なんで俺の名前覚えとるねん常にぐるぐる目！！」

「資料見た時一番特徴的な名前だったんだよカラスタビト！！カラスタビビトかと思ったわ！！」

そして遂に堪忍袋の緒が切れたAと烏による戦いの火蓋が切られた。
口論はどんどん白熱化して行ったが、最終的に絵心に止められ、一時終戦となった。

「次はぶっ潰したるわサイドテール･･･。」

「その前に飛び出た髪の毛だけ斬ってやんよハシブトガラス･･･！！」

お前なんか1発KOだかんな！と捨て台詞を吐き、Aはその部屋をあとにした。一方烏は「なんやあいつ、子供か。」と呆れた様にそれを見ていたが、「いや俺も口論してたか。久しぶりにあんな声荒らげたわ･･･」とガシガシと頭をかくのだった。
･･･そして次々と部屋を回っていたAに、遂に癒しが訪れる。

「ケガニはいるますか〜。」

ガチャリ。そんな音が鳴って、扉が開く。･･･そこは疲れきって発言が支離滅裂になっているAにとって天国でしかなかった。

「あ、マネージャーはんや。ケガニはおらんけど、こっちにボール当たって怪我した子はおるよ。処置、お願いしてもええ？」

「！！･･･ヒオリヨウは良い奴！」

「ん？なんやよう分からんけどおおきに！」

Aはただひたすらにマイナスイオンを発している目の前の青年の名を「良い奴」というメモと共に心のノートに残した。ちなみに、Aは300人全ての顔と名前を覚えている。既に25人分使い物にならなくなったデータがあるが。

Aは怪我人の処置を施し、少々名残惜しく思いつつも氷織の笑顔に見送られてその部屋を出た。
その後にも癒しはあった。眼鏡をかけた優しそうな青年に体調を気遣われたのだ。ブルーロックもまだ捨てたものではない。

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