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96. ページ46

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「かくかくしかじかで、今日は任務休みたい。」

Aはいとも簡単に先程までの事を纏めあげた。しかしどこぞの小説でもあるまいし「かくかくしかじか」では伝わらない。はずだが、絵心は「最近疲労溜まってそうだったし良いよ。いつかは絶対休ませてやるつもりだったから。」と快諾してくれた。

「呪霊の祓除はそっちの人がやってくれんのね。」

「はい、色々と腑に落ちませんがAさんのような子供が疲労で倒れるところは見たくないので。」

「子供言うな。」

・・・Aもそんな受け答えが出来るくらいには回復してきた。今日休んでおけばあとの業務は問題なくこなせるようになるだろう。

「・・・一つ気になったのですが、選手達にはどう説明するつもりで?言い訳まであの五条さんが考えているとは思えないのですが。」

「あー、まあ清掃員の格好して行けばいいんじゃない?」

「・・・。」

七海は如何にも適当です、といった様子で言い放った絵心に「あ、この人性格マシな世界線の五条さんだ」と直感した。五条と絵心は地が似ているような気も少しする。

清掃員っぽい格好になるようジャージや帽子、掃除用具を渡されそれを着て七海は施設の廊下へ出た。Aは早々に部屋へ戻ってしまった。

「(定時で帰れると良いのですが。)」

七海はあのへらりとした上司を思い浮かべ、湧き出す怒りを押し殺した。
そんな七海が仕込み呪具で呪霊を抹殺している所を見た選手は訝しげな顔で通路を歩いていたが、七海にとってそれは知ったこっちゃないことだ。取り敢えず、高専へ戻ったら一度五条に文句を言っておこうと七海は無心で呪霊を攻撃するのだった。



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翌日、Aはマネージャー業に復帰した。
夏油との別れは勿論辛いが、悔いを残さずに別れることができた。そうしてしまえば、Aはゆっくりと眠ることができる。何日かぶりの完璧な睡眠に、Aは思わず感動した。久しぶりの快眠は体に染みる。

そんなことを考えつつ向かった3vs.3のステージ。一次選考で見た事のある顔ぶれが多い中、Aはそこに桃色の髪の青年の姿を捉えた。左サイドで器用に結ばれた三つ編みを揺らし、此方へ歩み寄ってくる。

「暫くぶりだな、A。」

「黒名。・・・やっと三人一組作れたんだね。順調そ?」

「順調、順調。・・・Aも体調は良くなったっぽいな、良かった。」

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さくちゃん - raizさん» ありがとうございます!楽しみに待ってます!! (2023年3月25日 7時) (レス) id: f6f0c24dc1 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - 水希さん» コメントありがとうございます、面白いと言っていただけて感無量です・・・!続編はもう少しでできると思います。ソワソワが治まれば() (2023年3月24日 21時) (レス) id: 1aa12f97ac (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - さくちゃんさん» 返信遅くなり申し訳ありません・・・!続編もう少しでできる予定です、もうしばしお待ちを・・・!! (2023年3月24日 21時) (レス) id: 1aa12f97ac (このIDを非表示/違反報告)
水希(プロフ) - 初コメ失礼します!すっごい面白いです!続編が気になってソワソワしてます!更新頑張ってください (2023年3月23日 18時) (レス) id: 0489471443 (このIDを非表示/違反報告)
さくちゃん - 続編待ってます!! (2023年3月15日 18時) (レス) @page50 id: f6f0c24dc1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:raiz | 作成日時:2023年2月25日 21時

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