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そこからは早かった。Aは高専の建物を破壊し、生徒を攻撃した危険人物となり封印部屋に閉じ込められた。
しかし、この時五条は六眼から得たAに関する情報を全て上層部に話したわけではなかった。
上層部がAを閉じ込めた理由は再度暴走することのないように、というものだ。

そこまでならまだ納得できるが、問題はここからなのだ。
上層部はAの力を利用しようとした。

幼い子供であるにも関わらず強大な力を持った人間。
それを意のままに操れるとしたら?

上層部はそんな思惑を胸にAを封印部屋に閉じ込めていた二年間、術式の扱い方、呪霊の祓い方など呪術に関することをみっちり教えこんだ。
五条達3人はその事を良く思っていなかったらしく、Aの元へ遊びに来る度に上層部のことを愚痴っていた。

「はーあ、なんだよ普通の勉強させんなって!」

「彼等は呪術の勉強中に他のことを教えたら混乱するから、って言ってたけど・・・大方知性を持たれないように、ってのが本音だろうね。」

「自分たちの傀儡が賢くなりでもしたら指示に従わなくなるとでも思ったのかな。」

「?」

当時のAにそんな彼等の会話はよく理解出来なかったが、2年後Aは晴れて封印部屋の外へ出ることが叶った。

・・・そこからは、トントン拍子に事が進んで行った。

天内理子の死や、灰原の死。
それはAにとっても悲しいことだった。
天内の死からは夏油の様子がおかしくなっていったし、灰原とはよくつるんでいた。なんなら高専で一番話しやすい人間だったかもしれない。

・・・思えば、天内の死が全ての始まりだったのだろうか?
Aは夏油の異変にいち早く気付いた人間の1人だった。しかしどれだけ早く気付こうとも、救えなければ意味はなかった。

夏油傑の謀反。それは呪術界に衝撃をもたらした。
勿論Aも驚いた。悲しかった。Aが人生で初めて泣いたのは、この時だ。救えない自分を憎み、呪い、塗り替えようと強く思ったのもこの瞬間だった。

その日から、Aはより一層真剣に訓練に打ち込んだ。その後一級術師になるまでそう時間は掛からなかった。

・・・以上が、Aの思い出せる記憶だろうか。

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さくちゃん - raizさん» ありがとうございます!楽しみに待ってます!! (2023年3月25日 7時) (レス) id: f6f0c24dc1 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - 水希さん» コメントありがとうございます、面白いと言っていただけて感無量です・・・!続編はもう少しでできると思います。ソワソワが治まれば() (2023年3月24日 21時) (レス) id: 1aa12f97ac (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - さくちゃんさん» 返信遅くなり申し訳ありません・・・!続編もう少しでできる予定です、もうしばしお待ちを・・・!! (2023年3月24日 21時) (レス) id: 1aa12f97ac (このIDを非表示/違反報告)
水希(プロフ) - 初コメ失礼します!すっごい面白いです!続編が気になってソワソワしてます!更新頑張ってください (2023年3月23日 18時) (レス) id: 0489471443 (このIDを非表示/違反報告)
さくちゃん - 続編待ってます!! (2023年3月15日 18時) (レス) @page50 id: f6f0c24dc1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:raiz | 作成日時:2023年2月25日 21時

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