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彼等の言い分に、Aは裏切られたのはチームZの方だろ、と心の中でむっとした顔をしてしまった。
しかし現実にはそれを出さず、Aは再び先程の言葉を復唱する。しかし、チームWの選手は懲りずに反抗してきた。

「ッチ、そんなん弱え女が俺達を制御するための脅しだろ!?邪魔なんだよクソマネージャー!」

「・・・・・・。カッチーン。」

チームWの選手の言葉に、思わずそう声に出してしまった。目の前の選手の拳が、振り抜かれる。
潔や千切の声と、鰐間兄弟の静止の声が聞こえたが、Aはそれよりもこの選手の拳が遅すぎることに驚いていた。士道の数倍は遅い。

こんなん5歳児でも避けられるぞ、なんて思いつつ最小限の動きで回避すれば、彼は「なっ・・・!!?」と驚くような声を漏らした。

「その汚ぇ拳仕舞えよ、ざぁこ。」

先程の発言にイラッとしていたAは、挑発するような言葉を吐く。それに対しこの選手はぴくりと青筋を浮かべ、再び襲いかかってきた。

今度は足を振り上げての攻撃。しかしそれが当たるはずもなく、名前はバク転で後ろへ回避した。

それを見ていた他のチームWの選手も加勢してくる。
このフィールドはたった今、Aを攻撃しようとする9人のチームWの選手と、それを止めようとするチームZの選手(−久遠)と鰐間兄弟に分けられた。

しかし、あまり他人を傷付けたくないチームZの選手達は、なりふり構わず暴れてくるチームWの選手達に押されてしまう。

「(これは怪我人大量発生で、私がエゴに怒られる・・・!!)」

咄嗟にそう考えたAは、防戦一方だったスタイルを一変させ、チームWの選手達を気絶させだした。
時には足で、時には手で。
自由自在にフィールドを動き回るA。数十秒後には9人の選手達は全員人工芝の上に伸びていた。

「制圧カンリョー。」

明るく言ったAだったが、他の選手達は全員呆気にとられていた。

「は・・・!?何だ今の動き!!・・・と、お兄は言っている!!そして俺も言っている!!」

「にゃははっ、さっすがー!」

「うわ、全員気絶してら・・・。」

各々それぞれの感想を口にしだす。Aは判断を間違っただろうかと首を傾げた。

「いや、これはフィジカルやべえどころじゃねえだろ・・・!?」

「・・・いや、生まれつきで・・・。その、体術得意。」

「マジか・・・。」

もごもごと目を逸らしつつ零した苦し紛れの言い訳。
それに潔は意外にも納得してくれたようだった。

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さくちゃん - raizさん» ありがとうございます!楽しみに待ってます!! (2023年3月25日 7時) (レス) id: f6f0c24dc1 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - 水希さん» コメントありがとうございます、面白いと言っていただけて感無量です・・・!続編はもう少しでできると思います。ソワソワが治まれば() (2023年3月24日 21時) (レス) id: 1aa12f97ac (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - さくちゃんさん» 返信遅くなり申し訳ありません・・・!続編もう少しでできる予定です、もうしばしお待ちを・・・!! (2023年3月24日 21時) (レス) id: 1aa12f97ac (このIDを非表示/違反報告)
水希(プロフ) - 初コメ失礼します!すっごい面白いです!続編が気になってソワソワしてます!更新頑張ってください (2023年3月23日 18時) (レス) id: 0489471443 (このIDを非表示/違反報告)
さくちゃん - 続編待ってます!! (2023年3月15日 18時) (レス) @page50 id: f6f0c24dc1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:raiz | 作成日時:2023年2月25日 21時

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