61. ページ11
.
そんなことを思いつつ開けた扉。今度は眉毛や髪の一部が鰐の様な形をした双子のいる部屋だった。
「マネージャー、ここに怪我人はいない。・・・と、お兄は言っている!」
「さいですか・・・。」
・・・何だあいつら、顔が怖い。Aは入りかけていた足を引っ込め、扉をバタンと閉めた。そうと分かればさっさと次だ。
ガチャリと扉を開ける。今度は黒髪赤目の青年が全員のロッカーを見てチームメイトにダメ出しをしていた。全員の視線が一気に此方を向く。
「・・・ッスーーー・・・お邪魔しました〜・・・。」
取り敢えず怪我人はいなさそうだ。Aはそっと扉を閉めた。なんだあの赤目の人、さっきの鰐の人より怖い。Aはそんなことを考えつつ足早に次の部屋へ進む。
同じように怪我人はいますか、と扉を開けると、そこには前髪の長い青年とモヒカンの様な青年が話し合いをしていた。良かった、ここはまだ普通そうだ。
「あぁ、さっきのマネージャーさんですね・・・。大川くんの弁慶の泣き所にボールが当たってたので、一応診てくれますか?」
「あいあいさ」
前髪の長い青年、二子に頼まれAは大川の容態を診る。これくらいなら冷やせば大丈夫だろうと考えたAは氷嚢を渡し、あとで医務室へ返しに来るようにと伝えてからその部屋を出た。久しぶりに平和な部屋だ。
Aはさて今度はどんな部屋だろうかとドアノブに手をかける。その先には・・・。
「・・・あ、やっぱいた。レオとセイ。」
「お前なぁ・・・。久しぶりの再開なのに反応それだけかよ!」
「・・・俺、この前めっちゃカッコつけたばっかなんだけど。」
Aは事前に選手たちの顔と名前を見ていたため、この監獄に2人がいることは知っていた。2人も自己紹介でAのことは知らされていたため、この場で驚くなんてことは無かった。しかし2人とも何か言いたげだ。当たり前だろう、あんな別れ方をしたのだ。
「・・・転校について詳しい話は言えないけど・・・。まだ私達はトモダチ?」
「転校については問いただしたいことが大量にあるけどまぁ・・・そんなんで友達辞めるかってもんだろ!」
「俺もレオとどういけーん。」
2人の言葉にAは嬉しそうに笑う。そんな中、その空気に割って入る者がいた。
「なんだ、お前達知り合いだったんだな?俺が推察するに、この3人はインターナショナルでグローバルな関係なのだろうな・・・。使い方合ってる??」
.
793人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくちゃん - raizさん» ありがとうございます!楽しみに待ってます!! (2023年3月25日 7時) (レス) id: f6f0c24dc1 (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - 水希さん» コメントありがとうございます、面白いと言っていただけて感無量です・・・!続編はもう少しでできると思います。ソワソワが治まれば() (2023年3月24日 21時) (レス) id: 1aa12f97ac (このIDを非表示/違反報告)
raiz(プロフ) - さくちゃんさん» 返信遅くなり申し訳ありません・・・!続編もう少しでできる予定です、もうしばしお待ちを・・・!! (2023年3月24日 21時) (レス) id: 1aa12f97ac (このIDを非表示/違反報告)
水希(プロフ) - 初コメ失礼します!すっごい面白いです!続編が気になってソワソワしてます!更新頑張ってください (2023年3月23日 18時) (レス) id: 0489471443 (このIDを非表示/違反報告)
さくちゃん - 続編待ってます!! (2023年3月15日 18時) (レス) @page50 id: f6f0c24dc1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:raiz | 作成日時:2023年2月25日 21時