[完] 超人ちゃん Ⅱ【9K】 (ページ15)

今日:6 hit、昨日:19 hit、合計:22,055 hit

じゅうご。ページ15

.

『(本当に言ってる？それで私が納得するとでも？)』

「(いいえ…もう1度考えます…)」

そういうと目の前の彼は見るからに肩を落として部屋を出ていった。
何度もレポートを持ってくる彼に私はことごとくそれを突き返しているのだ。

ちなみにここはアメリカ合衆国の大学構内、私の研究室。
私はQuizKnockを辞め、拓司以外には何も告げず日本からアメリカへと職場を移した。

日本に帰る前ではあるものの、元々研究室を任されるという話は出ていた。
日本に帰ってからも連絡はずっときていて、断り続けていたのだが駿貴さんとの件で決心がついたと言っても過言ではない。

『この後はFBIに行かなきゃ』

アメリカにきてからもう1年が経ち、日本でのことはすべて置いてきた。
誰かの連絡先1つも手元にない。
彼らが元気でやっているかどうかは動画で確認している。

帰り支度をしながらタクシーを呼ぶ。

「Hey！Queezy.」

『Joe…』

彼は同じ大学の研究者、ジョーンズ。
ここにきてから顔を合わせる度に食事や呑みに誘われる。

私はこの先彼以外の人を好きになることはないだろう。
彼の笑顔を守るために彼のもとを去ったのだから。

Joe「(いつまで僕の誘いを断るんだい？)」

『(私の心はただ1人のものだからよ)』

Joe「(でもそいつはいないんだろう？)」

『………』

ジョーに返す言葉に詰まる。

.