泡と消える【MIU404】 (ページ10)

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「くそっ！」

大会でも記録が伸びず、競技場の片隅で悔し涙を流す俺に聞こえてきた声。

『ほらぁいるじゃん』

久住「こういうんうまいなぁ」

ユニフォームでもない、ラフな格好のカップル…？
どこかの誰かの応援だろうと思ったが俺の方にまっすぐ向かってきた。

「お前ら、誰だよ」

久住「知らん方がええで？」

『そうそう…ほら、楽しくなる？』

彼女に差し出された手にはトローチのような飴…？

『これね、皆には配ってないの』

久住「せやで？ほんまに苦しんどる子にしか渡したないねん」

『だからどう？』

久住「最初はサービスやで」

そういわれ自分は選ばれたと思った。
小瓶を受け取り、1粒飲み込んだ。

新しい居場所ができた。
友達も、この高揚感も、全部あの人たちのおかげ。

「なぁ、伸び悩んでんならこれ飲んでみろよ」

後輩「僕らはいいです」

これを試さないのは、ただのバカだ。
俺はあの人たちに感謝を伝えたい。

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