泡と消える【MIU404】 (ページ12)

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久しぶりにシェアオフィスにきたAは周りと挨拶をかわしながら"あれ"を売りさばいていく。

こんなにも人気になるとは思っていなかったAは生産工場を増やすかどうか考えていた。

「久住さん、おはようございます」

久住「おはよう」

Aが入り口に目を向けるとやってきた久住と目があう。
しばらくの間会っていなかった久住はとびきりの笑顔でAに近づく。

久住「久しぶり～」

『…そうだね』

久住「なんや素っ気ないやん」

『…んー』

久住「俺のこと嫌になってもーたん？」

『え？あ？なにが？』

久住「いや話聞いてなかったんかい！」

『ごめん、考え事してた』

久住「Aちゃんの悩み事聞いたろ」

『"あれ"の工場増やそうかなって。
それか単純に生産数増やすのか』

Aの考えていたことは巷で流行りのドーナツEPというドラッグのこと。
久住とAが10代～20代後半をターゲット層にした安価で手が出しやすく依存性の高いもの。

密かに高値で取引されているとか、いないとか…。

Aの目的は金ではなく、欲望のままに行動する人間。
それを見るのかAの楽しみなのだ。

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