episode.46 ページ46
.
志摩さんは私を見て笑ってから立ち上がった。
志摩「伊吹が待ってる、行くぞ」
差しのべてくれた手を握ると立ち上がらせてくれた。
そのまま手を繋いで階段を昇って屋上手前で志摩さんは立ち止まり振り向いて言った。
志摩「伊吹にバレんなよ」
『なんでですか？』
志摩「うるせぇんだ、あいつ」
伊吹さんが志摩さんに根掘り葉掘り聞くところが想像できて笑ってしまう。
屋上に上がると伊吹さんは椅子に座って待っていた。
お兄ちゃんもあんな風に待ってたんじゃないかな、と思いながら志摩さんが座った隣に私も座った。
伊吹「なーに話したの？」
志摩「内緒」
『秘密です』
伊吹「なぁ、志摩ちゃん、刑事辞めたりしないよな？」
志摩「今辞めたら俺は一生自分を許せない。
何度も何度もブーメランくらいながら続けるよ」
伊吹「まっ、安心しろ。俺の生命線は長い」
そう言って伊吹さんは手のひらをこっちに向けた。
伊吹「殺しても死なない男、それが…伊吹藍！」
伊吹さんはドヤ顔…というか、キメ顔？でこっちの返答を待っているようだ。
そんな伊吹さんに志摩さんは静かに言った。
志摩「……今心の底からイラッとした」
伊吹「なーんで、なんでそうなるかなぁ…」
伊吹さんに駆け寄って足元にしゃがみ、見上げて言った。
『本当に、死んじゃダメですからね』
伊吹「うん、死なない。
ていうかAちゃんその角度めちゃきゅるきゅるだねぇ！」
きゅる…？よく分からないけど、伊吹さんの機嫌がいいので良しとしておこう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽちゃまる(プロフ) - いつも楽しくて拝見させて貰っています！香坂さんの妹っていう設定からもう、はい、愛してます。香坂さんがお亡くなりになられた場所が私のちょー近所でして、場面再現したいぐらいです。もうギャフンと言います、これからも最新頑張ってください！応援しています！ (4月16日 20時) (
レス) id: e1b30985a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らい | 作成日時：2024年2月23日 8時
