episode.33 ページ33
.
___なぜタオル？と思ったのもつかの間、志摩さんはタオルを受けとると自分の頭を拭きはじめた。
体を起こすと気づいた。
志摩さんも伊吹さんもびしょ濡れだ。
『なんで濡れてるんですか』
伊吹「これは志摩がねー」
志摩「いやどう考えてもお前のせいだ」
言い合う2人がなんだか可笑しくて笑いが込み上がる。
『ふふっ、ふふふっ』
伊吹「なーにAちゃん」
『2人はいい相棒だなって』
本当にそう思う、心から。
志摩「A、応援を待てって言ったよな？」
『でもっ___』
志摩「"でも"も"くそ"もねぇ！」
志摩さんの突然の大声に肩がビクリとすくむ。
志摩「お前までいなくなったらどうすりゃいい」
すがりつくようなその小さな言葉は私にしか聞こえなかったみたいだ。
伊吹さんは___報告してくるねん、と言って工場を出ていった。
『志摩さん』
志摩「あいつみたいに俺の知らないとこで死んでみろ、俺はお前を一生許さん」
『志摩さん』
志摩「あいつもお前も変に冷静なくせになんでそんなに先急ぐ。
なんで…、俺を置いていこうとする…」
『志摩さん！
応援を、待たなかったのは謝ります。
でも志摩さんが来てくれました、来るって…信じてました』
志摩さんの目をまっすぐ見て言えば困ったように少し笑って私を抱き締めた。
志摩「次は無い、生きててよかった」
『はい』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽちゃまる(プロフ) - いつも楽しくて拝見させて貰っています！香坂さんの妹っていう設定からもう、はい、愛してます。香坂さんがお亡くなりになられた場所が私のちょー近所でして、場面再現したいぐらいです。もうギャフンと言います、これからも最新頑張ってください！応援しています！ (4月16日 20時) (
レス) id: e1b30985a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らい | 作成日時：2024年2月23日 8時
