純血の日本人【HP】 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:28 hit、合計:196,669 hit

episode.6 ページ7

side.ドラコ

大広間に入ってすぐ列車で会ったあの人がいないか探していた。

まだローブを着ていなかったからどこの寮かは知らない。

……いや、そんなの関係ないね。
あの人が一緒だったらなんなんだ。
僕はスリザリンに入って父上に認められるようになるだけだ。

『あ、ドラコ』

自分の名前が呼ばれた方をむくと、彼女だ。
手を振ってくれたので返そうと思ったが、そんなの無理だ。

赤…、グリフィンドール…。

どうしてグリフィンドールなんかに…。

スリザリンにいてくれれば良かったのに。
そうすれば……。

なんなんだ？
このチクリとした胸の、味わったことのない痛み。
心臓は悪くない、病気なんかしたこともない。
でもなんだか締め付けられるような…。

よくわからない痛みを無視して前を向き直し、組分けが始まるのを待つ。

ﾏｸ「ドラコ·マルフォイ！」

椅子に座りこの気味の悪い帽子を被らされそうになった。

ﾎﾞｳｼ「スリザリィィィィン！！」

当たり前だ。
父上も母上も同じ寮だったんだ。
純血の僕がスリザリンに入れないわけがない。

意気揚々と歩いていくと先輩方が拍手して迎えてくれた。
席に座ると人と人の隙間からチラチラと彼女がみえる。

周りのグリフィンドール生と一緒になって笑ってる彼女の笑顔がみえるたびに胸がチクリとした。

また会ったら話しかけよう。
そう心にとめて料理に手をつけた。