超人ちゃん【9K】 (ページ29)

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とぅえんてぃせぶん。ページ29

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side須貝

大学からの帰り道に伊沢からのLINEでAちゃんと呑んでいると知った。

ご丁寧に位置情報まで送ってきたので、既読をつけた以上は行くしかない、なんて考えは建て前で。

正直なとこAちゃんとはご飯は何度か行っているものの、呑みには誘ったことがないし、誘われたこともない。
酔ってるとこが見てみたいなんて邪な考えがないわけでもなかった。

まぁ、結論的にはAちゃんの酔っている姿は見れたわけで……。
ただ俺の想像の何倍も斜め上をいく酔いかたをしていたのは予想してなかった。

「おー…す……？」

『あ！しゅんきしゃーん』

真っ赤な顔のAちゃんが呂律のうまく回っていない口で俺の名前を呼んだ。

開いた口が塞がらないとはまさにこのこと。

伊沢「俺だけじゃこの状態のAの相手は無理です」

「俺、巻き込まれただけ？」

『拓司がよんだんですよぉ、わたしよんでないもーん』

「うん、お嬢さんはお酒控えましょ」

俺は伊沢の隣に座り、Aちゃんの持っていたグラスを取って一気に喉に流し込んだ。

『あー、喉仏がうごいたぁ…かっこいー』

伊沢「こいつ、たちが悪いんで明日にはなんも覚えてないっすよ」

Aちゃんの言葉に思わず咳き込んだ俺だが、伊沢からの言葉にどこか安堵した。

俺はAちゃんに飲ませる水と自分用のビールを頼んだ。
その間もAちゃんは俺の顔を見ながら、『えへへー』とニコニコ？ニヤニヤ？していた。

それを見れただけでも幸せなのかもしれないと思ってしまった俺は想像以上にこの、石井Aという人物に惹かれているということに気づいた。

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