とぅえんてぃしっくす。 ページ28
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side伊沢
『たーくーしー』
気だるげに俺を呼ぶのはA。
仕事終わりに急に呑みに誘われてきたが、酒に酔ったこいつは、メンドクサイ。
日本で飲むことはそんなに無かったが、俺がアメリカに遊びにいったときにはよく呑んでいた。
カクテル2杯で酔うほど酒には弱いのに意識はハッキリしてる。
舌足らずになるのも、顔が赤くなるのも、男を誘っているようにしか見えない、そう何度愚痴られたことか……。
さらには、たちが悪いことに翌日にはケロッとしていて何も覚えちゃいない。
『ねぇ、きぃーてんのぉー?』
「あー、聞いてる聞いてる」
『どーすればいーかなぁ…あたし、こーんな気持ちになったのーはじめてなんだけどぉ』
はじめは会社でどうだ、とか、こっちでの生活には慣れてきたか、とか、愚痴みたいな世間話を色々としていただけだった。
そう、俺があんなことを聞かなきゃよかったんだ。
____そーいやさ、A、須貝さんとはどうなの?
その一言が、Aの酒を進ませてしまい、ここまで酔わせてしまったわけだ。
「好きならアタックしろよ、ぶつかってなんぼって言うだろ」
『それができたら苦労してましぇーん』
「めんどくせ…」
『あー!しゃちょーがそーゆーこと言っちゃダメなんだぞぉ』
「あー…もう!決心がつかないなら今すぐにでも呼んでやる!」
俺はスマホを取り出して須貝さんを呼び出した。
今、Aと呑んでるんですけど須貝さん時間あります?
あるなら、ここにいるんできてください
それと一緒に現在地の位置情報を送った。
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らい(プロフ) - 陽さん» ありがとうございます! (2022年8月29日 7時) (レス) @page31 id: 097a817d7e (このIDを非表示/違反報告)
陽(プロフ) - 好きです!応援してます! (2022年8月28日 12時) (レス) @page31 id: d969f9c7e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らい | 作成日時:2022年7月17日 10時