ふぉーてぃ。 ページ42
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駿貴さんは私をベンチに座らせてくれて、その横でいそいそと片付けをしていた。
手持ち無沙汰になっていた私は駿貴さんのものであろうグローブを手にはめた。
須貝「でかいやろ」
『大きすぎて抜けそうです、ほら』
左手を下に向けて揺らすと、グローブが膝の上にポトリと落ちた。
須貝「そりゃ俺とあなたじゃ手のサイズが違うからね」
『私ってそんな小さいです?』
須貝「普通でしょうよ、俺がタッパがある分でかいだけ」
そんなことを言いながらグローブをしまい、片付けを終わらせた駿貴さんは私の隣に座った。
須貝「食べへんの?」
『アイスですか?』
須貝「違う違う…、その、ランチボックス」
『あぁ!ここでいいんですか?』
須貝「このあとグランド整備するし時間あるから」
なら…と思い、ランチボックスを膝の上に置いて開けた。
起きてから作った簡単なベーグルサンドにカットした果物。
私には所謂"日本のお弁当"を作る術はなかった。
アメリカ式のランチである。
須貝「うまそっ」
『あっ、これで手を拭いてください』
須貝「ありがとう…………うわ、うんっまっ!」
『ふふっ、良かったです』
須貝「何入ってんの?
……BLTとたまご?え、そんなけでこんな味する?」
口をモゴモゴとさせながらベーグルを頬張っている駿貴さんに、教えてあげた。
『材料は特別なにもしてないですよ?………隠し味は秘密です』
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らい(プロフ) - 陽さん» ありがとうございます! (2022年8月29日 7時) (レス) @page31 id: 097a817d7e (このIDを非表示/違反報告)
陽(プロフ) - 好きです!応援してます! (2022年8月28日 12時) (レス) @page31 id: d969f9c7e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らい | 作成日時:2022年7月17日 10時