超人ちゃん【9K】 (ページ19)

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せぶんてぃーん。ページ19

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side須貝

扉をノックすると中からダルそうな返事が聞こえてきた。
ここから現れるのは伊沢だとでも思っているのだろう。
扉を開けて声をかける。

「王子様が迎えにきましたよーっと」

『っぶ！駿貴さんが王子様って…脳外科いく？
それよか…拓司は？』

「お嬢さんなかなかの辛辣やね。
伊沢が来るとたぶんまた囲まれるだろうから代わりに、ね。
伊沢よりは俺の方が幾分かマシでしょ」

俺はAちゃんのリュックを持ちあげ肩にかけると、彼女に手を差しのべた。

「それでは行きましょうか、my princess？」

自分の中でも最大限の笑顔で微笑み、さも冗談かのように言うと彼女はこう返した。

『Sure,Darlin'』

俺は彼女の手を握りしめて研究室を出た。

最初は人の目とコソコソと話す声が多少気になっていたのか、Aちゃんは周りをキョロキョロしていた。
その度に俺は彼女の手を強く握りなおすと同時に、このドキドキが伝わってくれるなよ、と考えていた。

オフィスにつく頃には周りにいた人もいなくなっていたが繋いだ手を離しはしなかったし、Aちゃんもそれを素直に受け入れているようだった。

「ただいまー、連れてきたよー」

オフィスに入って声をかけると集合していたQuizKnockメンバーが全員振り向いた。

伊沢「須貝さん？その手…」

「ん？なに？」

『こ、これは…！繋いでれば話しかけられないだろうって…』

伊沢「そう…原因作った俺が言うのもあれだけど気をつけて」

伊沢の声がワントーン下がった気がした。
それほどまでにAちゃんを心配しているのも伝わってきた。

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