捻恋【yuto.n】

last after story 後編 ページ31

ryuuga







ゆうと｢ほら、お前もお礼言えよ！お兄さん達いなかったら今頃迷子だったんだぞ？｣




ゆうとくんに促されてAにそっくりな子が鈴みたいに可愛らしい声で自己紹介をしてくれた。





｢Aって言います！色々ありがとう！｣




俺は息を飲んだ。




頭がクラクラする。




足に力が込められない。



俺の脳がこの事実を必死に否定している。





周りの雑音なんて俺の耳には入ってこない。





俺の意識は目の前のAちゃんにだけに集中している。






これは、偶然なのか。





それとも必然なのか。






俺には分からない。





だけど、ひとつ分かった。


那須…




もう、Aを離すなよ。









次こそは幸せにしてやれよ。




2人の重なり合う小さな手がさっきより力を込めて繋がれていたような気がした。






fin

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