29-斉木兄弟と私(楠雄) ページ30
*
あれ以来、兄貴が頻繁にちょっかいをかけてくるようになった。
もちろん彼女に、だ。
わざわざ僕と彼女が一緒にいるところを見計らって会いに来るからタチが悪い。
空助は基本的に距離が近い上にスキンシップが激しく、自然に彼女の肩を抱いたりするので、彼女はその度に困惑する。
そんな風に空助相手に鼓動を早めている彼女を見るのは、少し……嫌だ。
……なんなんだ、この気持ちは……
…よく分からない。
…まさか、恋?超能力者の僕が?…それはありえないだろう。
***
ある日、部屋でくつろいでいると、いきなり部屋のテレビに空助が映し出された。
LIVEと書いていないことから、ビデオレターだと察する。
画面の向こうの空助は、こう言った。
…楠雄、僕、本気になっちゃった。楠雄がうかうかしてたら、本当に奪っちゃうからね。
…ほう、僕から彼女を奪おうとは…いい度胸じゃないか。
いいだろう、受けて立ってやる。
***
後日、彼女と居る時にばったり空助に出くわした時、僕は彼女を守るように背中に隠した。
(…楠雄くん?)
「…なぁに?楠雄。そんなに怖い顔して」
空助が目を細めて微笑む。
…わかっているくせに。
「…やぁ、Aちゃん。…会いたかったよ。」
気がつくと空助はAさんの傍まで来ていた。
阻止しようかとも思ったが、彼女の前で超能力を使うわけにはいかないし、あまり邪魔をしすぎても不自然だ。
(えっ、え、空助さん、近い…!!ていうか、めちゃくちゃ、眩しい…!!!かっこよすぎて眩しいんですけど!!!)
ーー…やめろ!
そう言って二人を引き剥がす。
考えるより先に、体が動いた。
(…え?もしかして…嫉妬してくれた?あの楠雄くんが?……なんてね。そんなわけないよね)
嫉妬…嫉妬?これが嫉妬なのか…?
それではまるで、本当に好きみたいじゃないか…!
*
30-斉木くんとモブの私1→←28-空助さんとデート4(空助)
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レナ(プロフ) - AKINAさん» 嬉しいです!!ありがとうございます!!番外編もよろしくお願いします!! (2020年1月24日 1時) (レス) id: 2e745625de (このIDを非表示/違反報告)
AKINA(プロフ) - すっごく面白かったです!もう続きが気になる楽しみにしときます! (2020年1月23日 7時) (レス) id: 06937f41d6 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - マリー・テレーズさん» 今後は番外編を更新していきます!ありがとうございます、一旦は完結なので、間違ってないですよ!今後も見てくれると嬉しいです(*´▽`*) (2020年1月22日 22時) (レス) id: 2e745625de (このIDを非表示/違反報告)
マリー・テレーズ(プロフ) - レナさん» やっぱ終わってなかった( ゚д゚) 恥ずかしい限りです また見に来ますね/// (2020年1月22日 22時) (レス) id: eb7633cc8b (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - マリー・テレーズさん» ありがとうございます…!!感無量です!!更新が早いのは先にプロットを書いてるからってだけで、プロットを考える時間はとても長いです笑 新しい小説も頑張ります!! (2020年1月22日 22時) (レス) id: 2e745625de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レナ | 作成日時:2020年1月3日 22時