斉木くんとモブの私

13-照橋さんと私2(夢主) ページ14

*



そんな日々が続き、またいつもみたいにみんなで話している時に心美ちゃんが来て、私がなんとなく席を外そうとすると、楠雄くんに腕を掴まれて、そのまま空き教室に連れていかれた。

え、楠雄くん、腕…っていうか、いきなりどうしたの…？

いきなりのことに鼓動が早くなり、混乱しながらも楠雄くんに声をかける。


「あ、あの…、楠雄くん…？」

ーー……何か勘違いしてないか


勘違い…？


「何のこと…？」

ーー…照橋さんのことだ


……あぁ、心美ちゃんのこと。
別になにも勘違いはしていない。心美ちゃんは楠雄くんのことが好きで、楠雄くんもきっと心美ちゃんに告白されたら嬉しいんだろうな…と思っていただけだ。


「……何も、勘違いなんてしてないよ」

ーー……それが勘違いだと言ってるんだ


楠雄くんは私の腕を掴んだまま、ぐっと顔を近づける。

待って待って近い近い近い近いどうしたの楠雄くん！？


ーー……僕は、照橋さんより……


え、何…？心美ちゃんより…？


ーー………何でもない


楠雄くんはそう言うと、私を置いて早足で空き教室を出ていってしまった。


えええ……？何、なんだったの……？
すごくびっくりしたし、何より……すごく、ドキドキした……。


楠雄くん……、なんて言おうとしたんだろう……



(僕は……何を言おうとしたんだ……？)




***



この一件以来、私はそこまで心美ちゃんに劣等感を抱かなくなった。
あの時のことはまだよく分からなかったけど、楠雄くんにああ言って貰えて嬉しかったから、心美ちゃんが来ても少しは大丈夫になった。



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