夜桜の散る前に【まふまふ】 (ページ20)

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19日ページ20

まふまふside

今日はAの退院日。
昨日記憶喪失と言われて今でも信じられない。
Aは僕の家に戻って二人で暮らすことになった。

コートをはおり、マフラーをまいて、そらるさんと一緒にAを病院まで迎えにいく

今日は12月3日。
午後6時でも外は真っ暗でクリスマスカラーのライトが木や家に飾られている。

ま「もうすぐ...クリスマスですね...」

そ「そうだな...」

タクシーをおりると冷たい風がほほに触れた。
このマフラーは去年Aと色違いで買ったもの。
去年の思い出も、Aはもう覚えていない。

病室にはいるとコートに僕と色違いのマフラーをまいてベッドに座ってAが待っていた。

そ「お待たせ。もう手続きは終わってるから、行こっか。」

「あ、はい！」

車に乗りこみ、家に向かう。

「えっと...まふゆ...さん？」

ま「まふでいいよ。前はそう呼んでたから。」

そ「おれはそらるでもそらるさんでもなんでもいいよ。」

「あ、わかりました。じゃあまふとそらるさんで...」