true end…？ ページ21
貴方視点
私は、何故“此処”にいるんだろう。
そう考えた瞬間、本能に刻み込まれた恐怖が頭の中を駆け巡った。
ハッピーエンドも、
メリーバットエンドも、
バッドエンドも、
全て思い出した。
あの闇の中からどう抜け出したのか、そんなのもうこの際どうでも良い。
大事なのはシャオロンと私が今此処にいるという事実。
そんな非現実的なことあるのか？と笑いたくなるが、あいにく自身の存在がその証明となる。
目の前の人物は、開けかけた口を閉じ、笑みを深めた。
より一層恐怖を煽られた私は、ただ冷や汗を流すばかり。
打開策なんてない。全て私が悪いんだ。
[恋人は、表情をなくし、心臓を押さえ崩れ落ちた]
[×んだ私は、生者に関わることを許されない。私の存在は呪いなんだ]
こんな状況になっても、思い出すのは恋人との温かな生活と、その温もりばかり。
私がシャオロンをこんなにも庇ったのは“恐怖”からだったのだろう。
彼こそが一番。
そんな訳ない。何度も繰り返された世界で、そう教え込まれただけ。
嗚呼、愛しているんだ。
私だけ恋人。貴方だけを。
あの人のそばにいるのは私だと思っていた！
もう叶わない願いを抱き続けるほど私は馬鹿ではない。
彼に触れて、影響がなかった時点で察するべきだった。彼は、耐性がついているんだ。
どうせ繰り返すのなら、争ったって良いじゃないか。彼を私の“好意”で×すんだ。
好きという感情は呪いだと、人間たちは知っている。
『ねえ、シャオロン』
目の前の人物は「なんや、A？」とわざとらしそうに首を傾げる。
何故繰り返すのか、何故私を好きになったのか。そんなの聞くなんて蛇足でしかない。
私はシャオロンを、目の前の机も気にせずに＿＿＿思いっきり抱きしめた。
『好きだよ、元友人として。最悪の恐怖から、そう思わずにはいられない』
『何回でも言ってあげる。“嫌ってあげない”よ。あなたが塵になっても、私が覚えている限り』
言葉を紡ぐほど、シャオロンの心臓の鼓動は早くなり、顔が蒼白になってくる。
恋人が崩れ落ちたのは、私の愛が原因なんだろう。だったら同じことをすれば良い。
愛こそ呪い。
私の好意は醜い私欲に過ぎないのだ。
必死で引きはがそうとするものの、
そばにあったガラスの破片で“手首のお守り”は切ったので、私には触れられない。
『私は、憎いほどあなたを＿＿＿』
シャオロンは舌を噛み切った。
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花氷 ベタ(プロフ) - 夢野さん、感想ありがとうございます！ (2022年7月16日 16時) (
レス) id: 728b26bf44 (このIDを非表示/違反報告)
夢野(プロフ) - うわあ好き(？)これからも更新めちゃくちゃ楽しみにしてます！！！ (2022年7月16日 15時) (レス) id: 078c74bdad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花氷 ベタ | 作成日時：2022年7月16日 14時
