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きっと今、私は酷い顔をしているだろう。

シャオロンは何も言わないで、私をじっと見つめている。

覚悟しているのか、自身の最後を。
……いや違う。目の奥をじっと見つめれば、彼が反撃の機会を狙っているのが容易に掴める。


今の状況、圧倒的に彼の方が有利だ。
しかし彼は私に攻撃することはできない。…彼の放った今までの言葉を全て裏切ってしまうから。

こんなところで硬直状態だなんて、可笑しいね。



「俺のこと、嫌いなんか?」

『ほんの少しだけ、嫌いだよ…私の“好き”じゃあなたを変えられないってことがよく分かった』



私は善い人だ。彼にとって都合の良いお人形のような物。

お人形は可愛いだけじゃつまらない。でも少しのスパイスを付け足すのが怖かった。


でも今は大丈夫。失う物はもうないのだ、だって私の魂はもう死んでしまった!



シャオロンは、呆れたように。そして吹っ切れたようため息をついた。



「__分かったわ、今回は俺の負け」

『……こんなの勝負事じゃない』

「お前はそう思っとるかもしれんけどな。


俺は勝ち逃げなんか許さんで」



俺だってお前の“幸せ”を優先しようとした。



そう呟いた彼は私からガラスの破片を奪い、涙も流さず冷たい顔をして、自らの首を引っ掻いた。
溢れる鮮血、生暖かい。シャオロンの体温を浴びて、吐き気がした。



でもこれで。

やっと、やっと解放されるんだ、この悪夢から。


そう思い私は起き上がる気力もないまま、そのまま目を瞑った。








「おーい、起きろー」


やっと私は新たな平穏を掴み取ったんだと、そんな確信を持ちながら私は目を開けた。


「馬鹿やなあ。もうあの世に行く方法はないで…ずっと一緒や」


朝日と共に、差し伸べられた“透けた”手が私に触れようとする。

目に映るのは、あの黄色の瞳。



もうやめて。と呟いた私を見て、悪魔は柔らかく微笑んだ。


***

end 敗者の楽園

true end…?→←happy end



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花氷 ベタ(プロフ) - 夢野さん、感想ありがとうございます! (2022年7月16日 16時) (レス) id: 728b26bf44 (このIDを非表示/違反報告)
夢野(プロフ) - うわあ好き(?)これからも更新めちゃくちゃ楽しみにしてます!!! (2022年7月16日 15時) (レス) id: 078c74bdad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花氷 ベタ | 作成日時:2022年7月16日 14時

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