Just do it！【ヒロアカ】 (ページ23)

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個性事故２【天喰】ページ23

天喰視点

『……今すぐ相澤先生を呼んできて』

「Aさん、今日休日だから……」

『個性事故はねじれちゃんで終わると思ったじゃん！！！！』

どうせだったら環くんの方が需要あるでしょ！！と叫びながら彼女は言った。

……Aさんのお願いだけど、それはだいぶキツイかな。

彼女がぶつかった相手は“相手を幼くする”個性を持った人。

相手も平謝りしていたし、
見るにも耐えないほど反省していた様子だったので見逃したが…

人見知りには、なかなかハードじゃないか？

幸い脳の年齢は退化しないようだが、
小さな子が頭抱えて愚痴っているのは正直異様だし……

人の、視線が痛い。

縮こまり、顔色の悪くなっている俺に
Aさんは心配そうにこう言った。

『私のこのままでも家に帰れるし、今日は此処で解散しようか？』

「…でもそしたら、買えなくなっちゃうよ？」

今日はAさんの好きなヒーローの限定グッズを買いに来たのだ。

どうも今日買い逃せば、
来年の誕生日まで待たなければいけないらしい。

その時Aさんはヒーローになっているだろうから、
チャンスは今日しかない。

『でも、私の我儘だからさ。1人でも行けるし＿＿』

「駄目、1人はぜっったいに駄目」

Aさんの見た目は小学一年生ほど。

個性が強いと言っても、名前を知らないと意味がない。
そんなの、ヴィランに狙われるに決まっている。

でもやはり人目が怖い…
顔も似ていないし、誘拐だと思われたら…

『無理はしないでね』

「いや…大丈夫。行こうか」

彼女の求めるグッズは大人気商品。

在庫は沢山あるらしいが、売り切れていたとなったら可哀想だし…
…‥…嫌われるかもしれない。

かっこいいところ見せたいな、と思いながら俺は彼女の手を握った。

やはり見た目は子供だけれど、
中身は変わらないとなると緊張する。

今すぐその場に蹲りたいが、あまり今の顔を見られたくはない。

ガッチガチの俺に、困ったような、
嬉しそうな笑顔を浮かべ彼女は目的地に進んだ。